あなたは愛とはなんだと考えますか?
この映画を見て、果たして自分にとっての愛とは何なのかを考えさせられました。
物語に登場する人物ひとりひとり、愛に対する考え方が違う
テルコはマモちゃんに呼ばれたらすぐに駆け付け、マモちゃんの一言に一喜一憂しますが、マモちゃんはそれを気にする様子などありません。

きっと本人も分からないのではないかと思います。
特に大きなことが起きるわけではなく、自然な雰囲気で終わりを迎えますが、見終わったあとに深く考えさせられる映画だったと思います。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]まずこの映画を通して、[move]わたし自身には理解し難いさまざまな考え方をするヒトの存在を実感[/move]。[/moveline]
好きな人の傍にいることによって相手を幸せにしてあげたいと思う人、相手の幸せを望むがゆえに自分と一緒になるということを諦めて遠くから見守る人・・・。
わたしならこの人の立場のときにどう行動するだろうと考えながら見ることのできる作品でした。
この映画を観ようと思ったきっかけは成田凌さんが出演しているから
マモちゃんの役がかなりクズ過ぎて(笑)
こんな男の人がもし周りにいたら、確かに惹かれるんでしょうけど、絶対に付き合いたくはありません!!!
都合のいいときだけ呼び出して、もういいやと思ったら追い出して、気づいたらどこかに行ってしまっていそうな雰囲気がまるで猫のようでした。
いやこういう男性は見ているだけで十分です。
いつ離れてしまうか分からないこの雰囲気に惹かれるという人もいることは分かっていますよもちろん。
近くにこういう人がいる分には見ていたいですもん(笑)
個人的に1番惹かれたのが、ナカハラ
テルコの友だち葉子に思いを寄せる彼ですが、彼の感情が静かに出る声がたまらなく好きです。
あまり自分から話す人物ではありませんが、彼の撮る写真からは複雑な感情が読み取れる気がします。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″][move]葉子を撮影した写真が劇中にも出てきますが、なんとも美しく、ナカハラくんの目にはこのように見えているんだなあと、微笑んでいる彼の表情[/move]が想像できました。[/moveline]



その時の彼の表情!!!!
心打たれました。
かすれかけている声と、葉子への思いがひしひしと伝わってくる絶妙な演技がもう魅力的すぎて、圧巻です。
若葉竜也さん。
このシーンで彼の虜になりました。
ナカハラに対するテルコの返し『うるせえばーか』
人間味溢れていて好きですねえ。
マモちゃんにはこんな言い方絶対しないでしょうと思いながら見ていました。
やけになってしまう日もありますよね。
このようにテルコが返答したのは、自分も心のどこかではマモちゃんから離れないと、卒業しないといけないという気持ちがあるのではとも思いました。
ナカハラくんが葉子を見守る決断をし、果たしてこのまま・・・、わかってはいるけれど傍にいたいという気持ちの表れではないのかと感じました。
自分とは価値観の異なるヒトたちだらけ



でも、すべて違うというわけではなく、きっとテルコと似た部分、マモちゃんに似た部分、他の登場人物に似た部分は、きっとわたしのどこかにもちょこちょこっとあるのでしょう。
正直、自分のことはよく分からない。
無意識にしていたり、把握できていなかったり、他人に聞いてみないと分からない部分は沢山あります。
だからなのか、自分とは違う行動をとるこの物語の彼らには寄り添えるなあと思うこともありました。
どんなにクズでも、彼には考えがあるのではと思ったり(マモちゃんに関しては自分の好きなように考えず自由に生きているだけな気もしますが(笑))。
自分のことをもう少し探究したいなあ・・・!
カメラワークが◎
近すぎず、遠すぎず、丁度よい距離感。
1番好きなカメラワークは、テルコとマモちゃんが2人で話しているシーンを、真正面から捉えている構図です。
後ろからでもまた良さがあるかなあとも思いましたが、このシーンは2人の表情から感情を読み取るのが面白かったです。
終盤のシーンなので探してみてほしいです。
こういうカメラワークもひとつひとつが、この映画はどこかで起きているのだろうという日常感を出しているのではと思います。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″][move]どこかにいる人たちを覗いているような感覚にしてくれ、引き込ませられる構図[/move]が素晴らしいと思いました。[/moveline]
色彩に関しても、明るすぎない映像で落ち着いた気持ちで映画に集中できました。
全体的に青を連想させられた気がして好きでした。(そういえば仲原青という名前もアオですね)
まとめ
なんといっても、登場人物みんなにどこか共感できる部分があるというのが、この映画の魅力なのではないでしょうか。
自分中心的に世界が回ればいい、自分勝手に振る舞いたい、自由が欲しい、人に惑わされたくない、そう感じたこと誰しもあるはず。
ただ、その感情は行動に起こさなければ、声に出さなければ誰にも知られません。
その気持ちたちを踏まえて、人はどのように行動するのか、発言するのかがよく表れています。
タイプの違った人たちの恋愛が描かれていることで、人の考え方がこんなにも行動や言葉から分かることを知りました。
もし、自分の好きな相手に別の好きな相手がいたら・・・。
ただ恋愛をしたくなりました。



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