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映画『あん』あらすじと感想|樹木希林主演

「あん」は、イオンエンターテイメント社と名古屋テレビ放送株式会社によって製作されているヒューマンドラマ。

第68回のカンヌ国際映画祭におけるある視点部門でプレミアム上映されたされた後に、日本でもエレファントハウス社の配給によって全国ロードショーされました。

陶芸家とストリッパーの刹那的な愛をテーマ「火垂」や、幼い頃に生き別れになった兄弟の片割れの苦悩にせまる「沙羅双樹」など、王道の恋愛ドラマから古代の民間伝承を現代に甦らせた地域密着ものまでを手掛けている、河瀨直美監督がメガホンを取っています。

もとになっているのはドリアン助川によってポプラ社から2013年の2月6日に刊行されている、長編小説です。

2015年度のキネマ旬報ベストテンでも、読者選出日本映画部門で第3位にランクインしました。

どら焼きやの雇われ店長とあんこ作りに並々ならぬ情熱を注ぐ年配女性との交流を描いた、感動作に仕上がっています。

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目次

「あん」あらすじ

和菓子屋「どら春」を切り盛りしていた千太郎のもとを、アルバイトがしたいと訪ねてきたのは満年齢76歳の吉井徳江です。

[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]高齢と指が不自由なことを理由にお断りをした千太郎ですが、[move]徳江がタッパーに入れて持ってきた手作りのつぶ餡を食べた途端にあまりの美味しさに衝撃[/move]を受けました。[/moveline]

これまでは手間を惜しんで業務用のあんこを使用していた千太郎は、徳江を雇ってあん作りを基礎から徹底的に教わります。

徳江が作るあんはたちまち地元の人たちの間に評判になって、どら春も開店と同時に行列ができるほどの大繁盛です。

初めて自分が納得できるどら焼きを完成させた千太郎ですが、店の様子を見にきたオーナーは徳江のことが気に入りません。

いつしか心ない噂や事実無根のデマが広がり始めていき、どら春は閉店の危機へと追い込まれてしまうのでした。

「あん」キャスト

主人公の吉井徳江にキャスティングされているのは、本作品で2015年度の日本アカデミー賞における優秀出演女優賞を獲得している樹木希林です。

波乱万丈な人生を歩んできたことを感じさせない、哀しみや苦労を受け流すかのような眼差しにはベテラン女優の貫禄がにじみ出ていました。

数多くの邦画で存在感を発揮していた彼女の最後の主演作。
これだけでも見逃すわけにはいかないでしょう。

闘病生活と平行しながら撮影を敢行していたという、女優としてのプロフェッショナルな姿勢には頭が下がりますね。

たったひと口のあんこがきっかけで徳江と心を通わせていくことになる、千太郎役に扮しているのは永瀬正敏です。

お酒が大好きで甘いものが苦手だという、およそどら焼き屋の店長らしからぬキャラクターを飄々とこなしています。

樹木希林の実の孫に当たる内田伽羅が、徳江と千太郎の架け橋となる女子中学生・ワカナ役に起用されているのも新鮮です。

「あん」感想

ギシギシと音をたてる木造アパートの階段を二日酔いと寝不足気味でよたよたと降りていく、千太郎の後ろ姿がオープニングから映し出されていきます。

飲み屋で働いていた時に客同士のケンカを止めようとして相手に大怪我を負わしてしまっただけあって、どことなく暴力的な雰囲気は否めません。

莫大な賠償金を肩代わりしてくれたために逆らえなくなってしまったオーナーから、どら焼き屋の店長を押し付けられているのが如何にも嫌そうでした。

小麦粉と玉子を軽量して皮を焼き上げるのはお手のものですが、どら焼きの命とも言えるあんこを缶詰めで済ませてしまう手抜きぶりには呆れてしまいますね。

楽しみと言えば仕事終わりにフラりと訪れて近所の食堂で注文するビール1本と、揚げたての天ぷらをトッピングしたお蕎麦くらいです。

そんなまるっきりやる気の感じられない千太郎の前に現れた、不思議なお客さんと特製のつぶ餡からドラマの予感が高まっていきます。

映画の序盤ではどら春の店先に咲き乱れていた桜がすっかり散ってしまい、新緑のシーズンを迎えた頃に千太郎と徳江のあん作りがスタートします。

小鳥よりもお天道様よりも早く起きるという徳江は大丈夫そうですが、酒癖が悪い千太郎が時間を守ることができるのか心配です。

千太郎が大きな鍋を力いっぱい木ベラでかき混ぜている時に、徳江がグツグツと煮えている小豆に向かってじっと耳をすませている姿が心に残りました。

小豆が生命を宿してしてから食べ頃を迎えるまでに浴びた雨や風、畑からこのお店にやって来るまでに渡ってきた山や川。

エマ
「この世に存在するものはすべてが言葉を持っている」という徳江の思いが、工場で大量生産される製品にはない愛情と美味しさをたっぷりと含んだどら焼きを誕生させるのでしょう。

ルーティンワークのごとく無表情にどら焼きを作ってきた千太郎にも、いつの間にやら人間らしい感情が芽生えていくようで微笑ましかったです。

閉店後にひとりで居残って後片付けをしていた千太郎のもとを、どら春のオーナーが4匹の犬を連れて押し掛けてくるシーンから次第に不吉なムードが漂っていきました。

真面目に生きてきた徳江が謂れのない誹謗中傷を投げ掛けられたり、理不尽な差別を受けたりしてきた過去のエピソードには憤りを覚えます。

やがては千太郎も以前のように自暴自棄に陥っていき、アルコールに溺れて引きこもりがちになる姿が痛々しいです。

離れ離れになっていくふたりを辛うじて繋ぎ止めることが出来るのは、常連客の中学生・ワカナしかいません。

シングルマザーの母親とふたり暮らし、出来損ないのどら焼きの皮を無料で分けてもらうほどの食生活、高校への進学もままならない苦しい経済事情。

そんな彼女が小さな身体からは想像がつかないほどの力で千太郎を引っ張っていき、徳江の住む山奥の療養所を訪問する終盤には大いなる勇気をもらえますよ。

まとめ

ワカナが図書館で手に取っている1冊の本のタイトルは「いのちの初夜」で、著者は23歳の若さでハンセン病で亡くなった北条民雄です。

短くも鮮烈な人生の全てを焼き付けるかのような自伝的文学なので、是非とも読んでみて下さい。

重く社会的なテーマから毛嫌いするのは惜しい作品です。

ラストで桜の木の下で笑顔でどら焼きを売る千太郎と、スタッフロールと共に流れる秦基博の「水彩の月」には癒されました。

洋菓子スイーツよりも和菓子派なら、オススメの映画です。

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