アイリスオーヤマの製品は最近、色々なところで見かけます。
実際にサーキュレーターや、卓上加湿器を購入させていただきました。
他社に比べて圧倒的に手ごろな価格で、性能もばっちりという有難い家電がたくさんあります。
いつの間にか私たちの生活において、当たり前で必然となっていたアイリスオーヤマ。
今年入社した新入社員は651人で過去最高だといいます。
コロナ禍にも関わらず絶好調な会社、今回はその強さの秘密が1年に渡る密着で明らかになりました。
アイリス名物月曜会議
毎週月曜日に行われる会議で、新商品や新事業のプレゼンがあります。
最終的に社長がその場で判断し、GOが出れば早速生産に向けて進みだせるのです。
実際に…
① 日本国内でマスクの生産を一から製造・販売
2020年4月に世の中からマスクが消えました。
そういった現状を打破すべく、マスク事業の参入を提案。
即断即決でGOが出されました。
会議から3か月後、マスクの製造ラインが自社工場に追加され、普通ではありえないスピードで早速店頭に並ぶことになったのです。
② ウエットティッシュの生産・販売
コロナにおける市場はまだまだ続くと考え、世の中で足りていないウエットティッシュにおいてもマスクと同様に参入を決めました。
これまた即断即決のGOでした。
③ ノートパソコンの生産・販売
テレワークの増加やオンライン授業の加速に伴い、最低限の機能に絞り、学生や新社会人でも手の届きやすい低価格なものを提案。
今の世の中に、何が必要とされているかを常に模索し、アンテナを張っていること。
そして、それをいかに早く形にするのか、これがアイリスオーヤマの強みなのでしょう。
アイリスオーヤマの歴史
- 設立:1971年4月
- 売上高:6900億円
- 従業員:約1万5400人
プラスチックの下請け工場を継いだあと、現会長が初めて製造したものは「ブイ」。
カキなどを養殖する際に目印として海に浮かせるものです。
その後、軽い植木鉢、収納ケースなどのプラスチック製品を次々と販売します。
2010年LDE電球を販売。
大手の3分の1の価格で販売し、大ヒットとなりました。
アイリスオーヤマの社長は誰?
現在の社長は会長のご子息である大山晃弘さんです。
2003年アイリス入社し、アメリカ子会社のトップなどに就任しました。
沢山の経験を積み、2018年社長に就任されました。
この社長、就任後にどんどん数字を伸ばし、
- 2018年 4750億円
- 2021年 8500億円(見込み)
と倍の売上へと躍進しているのです。
アイリスオーヤマをここまで大きく育てた会長はこう言います。
「ピンチはチャンスなのではない、ピンチがチャンスなのです」と。
先代からこういった柔軟で迅速な行動力、並々ならぬセンスと努力が現社長へと
引き継がれてるのですね。
キャッチフレーズは、なるほど家電
好調を支える柱が家電事業です。
アイリスの売りは低価格。
過剰と思われる機能を引き算し、使いやすくするのが売りです。
- オーブントースター:ちょうどピザが焼ける大きさで珍しいサイズ
- ヨーグルトメーカー:牛乳パックをそのまま入れてヨーグルトが作れる
- 電気圧力鍋:ワンタッチで簡単、自動メニューが80種類と豊富
今や家電はアイリスの売り上げの6割を占めています。
私も家電においては本当にお世話になっています。
攻め続ける大山社長の悲願
2年以内に1兆円のハードルを越えたいと様々な新規事業へと挑戦する大山社長。
今回紹介されたものをいくつかご紹介致します。
① BtoB事業
BtoB事業とは、企業を相手にしたビジネス。
例えば、アイリス本社はショールームも兼ねているため、目に見えるほとんどの物が自社製品を使用しているそうです。
床材や照明、机、ホワイトボードなど。
そんなアイテムの中にある「AIカメラ+LDE照明」を組み合わせて、新しいビジネスを展開しようとある実験が行われていました。
グループ会社であるホームセンターの店内の照明を、色や明るさが自由自在に変更できるものを設置します。
さらにAIカメラも準備。
照明の色を変えることで、お客さんの購買行動がどう変化するか調べてみようという実験です。
レジ前にバームクーヘンを並べ、その売れ行きの変化を1か月かけて記録していきます。
照明の種類は、3色。
- 今まで通り
- 少し黄色みがかった温かみのある電球色
- 昼間の外のような明るい色
その様子をデータ分析すると、暖かい色の照明が1番バームクーヘン買われやすいという結果に。
なんと11%も売上がUPしたのです。
不思議ですね…。
なんだか目の付け所がすごくて、「なんの会社だっけ?」と首をかしげてしまいそうです。
常識にとらわれるな、ですね。
② ロボット事業に参入
「サービス専用ロボット業界でナンバーワン企業になる、そしてロボットを機に広範囲の社会課題を解決することでさらに成長したい」と意気込む大山社長。
ペッパーくんを開発したソフトバンクと手を組み、まずは現存のロボットを売り込むことから始めるのだそうです。
- 自動掃除ロボット
- 配膳ロボット
などがありました。
③ 水の販売・保有
富士山の天然水と炭酸水を今年の2月から販売。
震災から10年でお客さんの感度も高い。
実際に地震がきたら一気に水がなくなる事が想定できるので、そういったときに即対応すべく、始めた事業だといいます。
マスクといい、水といい、私たちが必要なものを的確にとらえ、即行動に移す大山社長の敏腕ぶりがうかがえます。
さいごに
先が見えない時代に勝ち続けるにはどうしたらいいのか。
大山社長の答えは、
「変化が激しいときは決断の早い会社が生き残る
事前に予測はできないので、その分なにか発生した時にいか早く対応できるか」
と話します。
その通りだと思いました。
私たちは何かに失敗したり、ピンチになると慌てふためいてしまいます。
何故なら予想していなかったから…。
そしてその為の準備も備えも全くしていなかったからです。
それに対応するためには、一歩二歩先をみて行動してみること。
もしくは、客観的に物事をみて対応する力を備えておくことかと思います。
アイリスオーヤマのなるほど家電でも買って、日々の暮らしをシンプルかつ充実させて1日の反省と、明日へのモチベーションを養いたいと思います!
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