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映画「“隠れビッチ”やってました。」感想

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映画「“隠れビッチ”やってました。」は、木下グループ社とセントラル・アーツによる合同製作。

2019年11月4日にTOHOシネマズ六本木ヒルズにて完成試写会が行われた後、キノフィルムズの配給によって12月6日から劇場公開されました。

不動産屋に勤める冴えないOLに突然のロマンスが訪れる「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」や、過去の怪談と現代における都市伝説を融合させた「のぞきめ」など。

メガホンを取っているのは純愛ストーリーからホラーテイストの作品までを手掛けている、1970年生まれで富山県出身の映画作家です。

あらいぴろよによって光文社から2016年の9月15日に刊行されているコミックエッセイが、三木康一郎監督が書き下ろした112分のオリジナルシナリオによって映像化されました。

“隠れビッチ”やってました。コミックエッセイ

世の中の男性たちを弄んできたひとりの女性が、初めての挫折を経験して細やかな成長を遂げていくロマンティックコメディーです。

目次

あらすじ

荒井ひろみはデパ地下のケーキ屋さんでアルバイトしながら、プロのイラストレーターを目指している26歳です。

清楚で恵まれたルックスのために数多くの男性たちから熱烈なラブコールを受けますが、自尊心を満足させるだけで如何なる相手とも深い仲になることはありません。

ある日の勤務終わりにお隣のデリカコーナーで出会った安藤剛に、かつてないほどのトキメキを感じてしまいます。

間も無くこの仕事を辞めて長年の夢だった美容師を目指すという安藤の熱い言葉に、すっかりひろみも影響されてしまいました。

本格的にイラストの勉強に取りかかり過去の男たちとの関係を清算し始めたひろみに告白してきたのは、職場の上司・三沢光昭です。

恋にも自分自身の人生にも投げ遣りだったひろみは、重大なターニングポイントを迎えることになるのでした。

ひろみの餌食になる男達

キャストの紹介

異色ヒロイン荒井ひろみ:佐久間由衣

佐久間由衣

自らの欲望の赴くままに周りの人たちを振り回しながらも、どこか憎む出来ない異色ヒロイン・荒井ひろみを佐久間由衣が熱演していました。

1995年生まれの神奈川県横須賀の出身で、人気ファッション雑誌「ViVi」の専属モデルからキャリアを始めています。

本作品が映画初主演となりますが、ちょっぴりアルコール依存性気味で「鼻ほじり」が趣味というこれまでのイメージを吹き飛ばしてしまうほどのキャラクターに挑戦しているために驚かされますね。

ひろみの同居人木村彩:大後寿々花

ひろみの同居人ながらも幾度となくお互いへの生理的嫌悪感をぶつけ合う、木村彩役を演じているのは大後寿々花です。

小島晃:村上虹郎

そんなひろみと彩の間を暖かい食事と優しい言葉で取り持つ、小島晃役には村上虹郎がキャスティングされています。

ひろみの父親:光石研、母親:渡辺真起子

若手俳優たちの脇をしっかりとサポートしていました。

オープニングから引き込まれる

タクシーの後部座席にバッチリとファッションとメイクを決めて座っている、主人公・荒井ひろみのおしとやかな佇まいがオープニングを飾ります。

豪華なディナーばかりではなく帰りのタクシー代まで払わされた挙げ句に、スルリと逃げられて車内に取り残された川田利光が哀れでした。

次の日の午前中には草食系の見本のような舟木誠勝と映画館へ行き、午後からは文化系の坂口征二と美術館デートへと乗り換えるなど節操がありません。

休む間も無くIT企業の社長さん・永田裕志と夜の街へと繰り出していき、危ない目に逢ってしまうのは自業自得です。

貪欲なる彼女の胃袋を満たすグルメ

木造一軒家ルームシェアをしている荒井ひろみですが、朝夕のご飯には困ることはありません。

ビーフシチューから回鍋肉までと、コジが腕によりをかけて振る舞う料理の数々が実に美味しそうでした。

ルームメートの木村彩と取っ組み合いのケンカを繰り広げた際に、コジが淹れてくれた特製のレモンティーにはほっこりさせられます。

お弁当を作る手間暇を惜しむひろみにとっては、ワンコインでランチを済ますことが出来る社員食堂は大助かりです。

デパートのケーキコーナーではその日の売れ残りを廃棄するのが暗黙のルールになっていますが、悪知恵だけは働くのがひろみらしいですね。

「トレード」と称して余り物のショートケーキと、賞味期限切れのシュウマイを交換してお持ち帰りしてしまいます。

ちょっぴり冷たくなって容器にぎゅうぎゅう詰めに押し込まれたシュウマイにも、不思議ないとおしさが涌いてくるはずです。

今時の多種多様な恋愛模様を覗き見

隠れビッチやってましたキャスト陣

年上のバツイチ男性を釣り上げたと思ったら年下の男の子をターゲットに、草食系男子を攻略した後で肉食系にチャレンジ。

せっかくデートに持ち込んで良い雰囲気になった途端に相手を突っぱねてしまう荒井ひろみの豹変ぶりは、恋愛シュミレーションゲームにおける「リセット」を連想してしまうかもしれません。

そんなひろみを合わせ鏡とするかのように、今の時代における多様性あふれる恋愛スタイルを垣間見ることができます。

ルームメートの木村彩は「身体だけの関係」と割り切って、数多くの男たちの間を渡り歩くほどサバサバとしている今時の女子です。

家主でもあり正反対のふたりの女性にとっては良き理解者である「コジ」こと小島晃は、性的マイノリティーとして自分の生きざまを貫き通していました。

肉体的な性別や世間一般の価値観に捉われることのない、新しいパートナーとの開かれた関係性には共感できるでしょう。

最後にひと言

Kitri

画面上が真っ暗となって束の間の静寂が訪れた時に聴こえてくるのは、姉妹ユニットのKitriが歌う「さよなら、涙目」です。

本編が終了してエンドクレジットが流れ終わった後にも意味深なカットが挿入されていますので、最後の最後まで席を立たないでください。

果たしてひろみは「隠れビッチ」を卒業できるのか、それとも掴みかけた幸せを手放して元の木阿弥となってしまうのか。す

べての答えを観客に委ねるような多くを語ることのないクライマックスからは、更なる物語が始まっていくような期待感が高まってきました。

恋愛に対して臆病になっている若い世代の方たちや、気になっている異性にいま一歩踏み込んでいけない皆さんは是非ともご覧になって下さい。

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