『宇宙パトロールルル子』は、『キルラキル』や『天元突破グレンラガン』のTRIGGERが作った1話1話の短い8分程度のアニメ。
同社のアニメを知っている人ならわかることで、短時間に展開が詰め込まれていてボリュームは倍以上の時間のように感じます。
ルル子は数々の作品でもデフォルメが結構強い方
展開の早い短時間アニメなのでなんだか気軽に見てしまいます。
その短時間は極めて濃密ですが、不思議と疲れる感覚は覚えません。
OP曲も本編のストーリーにぴったりなハイテンションで勢いがあり、「CRYまっくすド平日」というぶっ飛んだタイトルと同じノリな歌詞も良い感じです。
監督の今石洋之作品のパロディもたくさん含まれていて、『グレンラガン』で気に入り、『キルラキル』で惚れたことがきっかけでルル子を見たわたし。
『キルラキル』の蒲郡苛役の稲田徹が演じるルル子のオーバージャスティス本部長や、キルラキル蛇崩ののん役の新谷真弓が演じるルル子のミドリの存在はかなり大きい！
オーバージャスティス本部長のアニメーション枚数の少ない感じは、別作品の『ニンジャスレイヤー』のようなFLASHアニメーションっぽさも感じます。
さらに話が進むと、『キルラキル』で大きな要素であった「生命繊維」まで登場して、まさかここまで別作品であるキルラキルネタを持ってきてくれるとは！と嬉しい衝撃を受けました。
『宇宙パトロールルル子』のストーリーは大規模のようで小規模
でも、やっぱり大規模な内容。
OGIKUBOを舞台に宇宙犯罪である万引きをする凶悪犯との戦いを描いています。
ルル子の母親であるララ子・ゴッドスピードは宇宙海賊の船長で、OGIKUBOを丸ごと万引きしようとしたり大気圏に平然と突入してきたりととんでもないキャラクター。
『キルラキル』を彷彿とさせる露出度のおかしい衣装と、生命繊維の独特な赤い線がひかれたラインのあるマントを羽織っています。
真のラスボスとなる凶悪犯は母ではなく…
宇宙のありとあらゆる価値の高いものを万引きし続けるブラックホール星人。
ルル子がずっと好きだったクラスメイトのAΩ・ノヴァは、価値あるものを万引きし尽くしたブラックホール星人が「最も価値のないもの」を万引きしたいと言うわけのわからない欲望のために送られてきていた存在でした。
そして「最も価値のないもの」がルル子の持つ「後先考えない無知な中学生の浅はかな初恋」だったという悪質な内容。
ブラックホール星人役の檜山修之も『キルラキル』で猿投山渦を演じています。
この初恋の心「ときめきジュエル」を盗まれるとルル子は死んでしまうのですが、死んだルル子が会ったインフェルノコップというのもTRIGGERのWebアニメのキャラクターらしく、元ネタを知らないながらも印象に残ります。
仲間のキャラクターの1人には女性の「秘書」がいて、セリフが一切無くずっとずーっと無表情のキャラなんですがルル子が生き返ったときだけ涙を流すという他のシーンではまったくない変化が見られるのが素敵。
第1話で凍ってしまい、ほとんど動くことのなかったルル子のパパも動き出してからは思った以上に有能な刑事だったというのもなかなか粋な演出だと思います。
キャラ名がケイジと安直なのも好きです(*^-^*)
ルル子が好きだったAΩ・ノヴァですが、見た目がいいだけで実は中身のない「ナッシング星人」でした。
どっちでもいいよ、という冷めた態度がルル子にはクールに見えて、だからこそブラックホール星人の狙う「無価値な初恋」として最適な存在だったという皮肉すぎるキャラクターでした。
でも、ルル子の強い想いを受けてナッシング星人らしからぬ熱い感情を抱き、ルル子と共に戦うシーンは熱い。
『宇宙パトロールルル子』や『キルラキル』は、すごく雑にやっているように見えるのにしっかりと王道をおさえているのか、不思議と監督の狙い通りに感動させられてしまうという感覚があります。
まとめ
別作品のキャラクターや要素をガンガン思い出させるような遊びを入れることがある会社と監督ですが、わたしはそこが好きなのでその色が特に強い『宇宙パトロールルル子』はかなり印象に残っています。
さすがにルル子ほど露骨ではありませんが、『SSSS.GRIDMAN』などにも声優の新谷真弓さんが登場していて、そうしたさりげない要素だけでもやっぱりTRIGGERだな、なんて考えてしまいます。
こうした「○○っぽい」が作品を増やすごとに蓄積して行って、わかりやすく経験を積み上げてレベルアップしているように感じる、というのは別の会社ではまったく見たことのないパターンです。
最終回のラストあたりでは、この後に放送が決まっている『リトルウィッチアカデミア』の主人公がルル子とハイタッチするという、とことんまでTRIGGERファンにサービスしてくれる作品でした。
一部のWebでは今でも第1話が公式無料公開されているので見返したくなりますが、いつ見てもやはりこのハイテンポと独特な世界は他に見られない魅力的なワールドだなー( *´艸｀)
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