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映画「アメリカン・ギャングスター」あらすじと感想

アメリカン・ギャングスター

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「アメリカン・ギャングスター」は、イマジン・エンターテインメントとユニバーサルスタジオ社の制作です。

2007年11月にアメリカ国内とカナダで先行上映されて後に、日本でも2008年の2月1日から東宝東和の配給によって全国ロードショーされています。

人間とアンドロイドとの愛と戦いを描いた「ブレードランナー」や、ふたりの女性が真の自由を追い求めて車を走らせる「テルマ&ルイーズ」など。

メガホンを取っているのはSFアドベンチャーからヒューマンドラマまでを手掛けている、リドリー・スコット監督。

実話をもとにして脚本家のスティーヴン・ザイリアンが書き下ろした、175分のオリジナルシナリオを映像化しました。

ファミリーの結束力と麻薬ビジネスを武器に裏社会をのしあがっていくギャングと、組織の枠に捉われない型破りな刑事の運命が交錯していくクライムエンターテインメントに仕上がっています。

目次

「アメリカン・ギャングスター」あらすじ

1968年ニューヨークのハーレムで多くの人々から愛されていた、バンピー・ジョンソンが突如として心臓麻痺に襲われてこの世を去りました。

後継者に指名されたフランク・ルーカスはバンピーの縄張りを維持しつつ、ベトナム行きの軍用機を利用してブルーマジックと呼ばれる高純度の薬物の密輸を開始します。

ナイトクラブやカジノを買収して社交界にまで姿を現すようになったルーカスを、執拗に付け狙っているのはリッチー・ロバーツです。

もともとはニュージャージー州ニューアークで刑事をしていたリッチーでしたが、1円の賄賂も受け取らないお堅い性格のためか同僚たちとは余り上手くいっていません。

特別麻薬捜査局に異動となったリッチーとニューヨークの汚職警官に命を狙われるようになったフランクは、奇妙な絆で結ばれていくのでした。

「アメリカン・ギャングスター」キャスト

迷うことなく自分の信じた道を突き進んでいく誇り高きギャングの大ボス、フランク・ルーカス役を演じているのはデンゼル・ワシントンです。

スパイク・リー監督の1992年作「マルコムX」では解放運動の指導者を、ボアズ・イェーキン監督作「タイタンズを忘れない」では人種差別に立ち向かうフットボールのコーチを。

これまでにも数多くの作品で正義感あふれる主人公に抜擢されてきただけに、今作での豹変ぶりには驚かされますよ。

如何なる脅し文句にも甘い誘惑にも一瞬たりとも揺らぐことのない、リッチー・ロバーツに扮しているのはラッセル・クロウです。

両者の間にいつの間にやら芽生え始めていく敵対とも友情とも言いがた不思議な関係にも注目してみてください。

フランクの心の拠り所となる女性・エヴァ役のライマリ・ナダルや、リッチーと親権問題で揉めるローリー役のカーラー・グギノなど美しき女優陣が殺伐とした世界観に花を添えています。

楽曲

久しぶりに故郷のノースカロライナ州グリーンズボロへと足を踏み入れたフランクを、ジョン・リー・フッカー の「No Shoes」が出迎えます。

「キング・オブ・ブギ」の尊称で親しまれているブルースシンガーの歌声が、新しく「ハーレムの王」となったフランクの凱旋を祝福しているかのようでした。

ニューヨークの下町からベトナムのビエンホア米軍基地まで一気にネットワークを広げたフランクを、強力に後押しするナンバーがボビー・ウーマックの「110番街交差点」です。

公民権運動が盛んだった頃の闘争歌としても有名で、往年の名画ファンにはアンソニー・クイン主演の映画のテーマ曲として懐かしいのではないでしょうか。

1991年捜査への全面的な協力によって刑期を短縮されたフランクが、15年ぶりに外の世界へと足を踏み出した途端に鳴り響くのがパブリック・エナミーの「Can’t Truss It」です。

重苦しい刑務所の門が開く音と、軽快なヒップホップのリズムが重なり合って絶妙なハーモニーを奏でていました。

「アメリカン・ギャングスター」感想

椅子の上にロープでぐるぐる巻きにされた男性の頭の上からガソリンを浴びせる、余りにも衝撃的なオープニングでした。

中央で葉巻をふかしているのは「バンピー」ことエルズワース・レイモンド・ジョンソンで、クリスマス当日に地元の人たちに笑顔で七面鳥を配っている時の姿とは似ても似つきません。

バンピーの傍らに影のように寄り添っているのが主人公のフランク・ルーカスですが、この当時は単なる運転手かボディーガードといった感じですね。

バンピーが目の敵にしているのがマニュアル化の権化とも言えるマクドナルドなどのファーストフードに加えて、アメリカ人から職を奪っているソニーや東芝のテレビなのが時代を繁栄しています。

誰ひとりとして「ギャング」と呼ばないのに誰よりも恐れられていた男、バンピーの死がフランクの運命を突き動かしていくのがドラマティックです。

毎朝5時に起きてハーレムのダイナーでお気に入りのモーニングセットを注文、その後は会計士や弁護士と会って仕事。

日が暮れる頃には妻の待つ家へと帰宅、日曜日には母親と教会に行って恩師のお墓参り。

ギャングの元締めでありながらフランク・ルーカスの1週間の生活ぶりは、実に控え目で規則正しく合法的です。

警察官の中には袖の下を要求してくるトルーポのような恥知らすな面々も存在するために、簡単に善悪に分けることの出来ない社会の複雑さを痛感してしまいます。

ベトナム戦争が泥沼化していき全く終わりが見えない中で、超大国としてのアメリカの威信が揺らいでいた1960年代当時の世相が映し出されていました。

アメリカ兵の3分の1以上が違法な薬物に手を出していたという、深刻な状況が伝わってきます。

ジョンソン大統領の罷免やベトナムからの撤退を求めるデモ隊のスローガンには、21世紀のアメリカファースト大統領への批判にも繋がるものがあるはずです。

一方ではボクシングの世界ヘビー級チャンピオンに挑戦するモハメド・アリの姿には、最下層の出自から夢を掴んだアメリカンドリームの素晴らしさを噛み締めることが出来るでしょう。

タイトルマッチの会場に招待客としてやって来たフランクと、密かに潜入したリッチーがニアミスする一瞬もスリリングでした。

まとめ

慎重さを忘れずに、物事を進めるときは思慮深く心を込めて、紳士であること。

バンピーから教わった数多くの人生におけるヒントの中でも、フランクが特に大切にしているのがこの3つ。

時代と国は違えども21世紀の日本に生きる我々の胸の内にも、しっかりと刻んでおきたいメッセージだと思います。

ビジネスや勝負事など様々な場面で役に立つ哲学が盛り込まれていますので、ありきたりなギャング映画が苦手な皆さんも是非みて下さいね。

アメリカン・ギャングスター

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