このアニメは中学生棋士の主人公が、将棋や人とのつながりを通して人間的に成長する描写のアニメです。
棋士が主人公だと「将棋のルールなんてわからないし…」と思うかもですが、全く問題ありません。
『3月のライオン』あらすじ
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忙しい父と楽しめる将棋が得意な少年が交通事故で両親を失い、棋士の内弟子に。
その先で自分を育ててくれることに対する感謝の気持ちや申し訳なさから将棋にのめりこみ、中学生ながらプロ棋士になるが、友達はおらず内弟子として居候している家では居場所がなかった。
棋士として独り立ちするもモチベーションが無い主人公が、ひょんなことからお世話になることになった三姉妹やライバル、学校の友人などとのやり取りを通して棋士として・人間として成長していく物語です。
『3月のライオン』の魅力は大きく4つ
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①作画が美しい
制作会社はシャフト(まどか☆マギカ、Fate、物語シリーズ、ニセコイなどを手掛けています)。
水彩画や鉛筆のような優しいタッチで原作の羽海野チカ先生の画風を忠実に再現し、あったかい気持ちに( *´艸`)
ワンシーンワンシーンがきれいな水彩画のようで美しく、見ているだけでも面白いです。
特に料理がとても美味しそうなので見てみてください!
②心理描写の細やかさ
独特な表現で、繊細な心理を表しています。
ところどころで主人公の心の小さな変化を絵のタッチや音楽で繊細に表現しています。
特に私が印象に残っている心理描写として2つのシーンがあります。
棋士を目指してひたすら努力していた主人公:零は、気づけは将棋以外何も残っていない自分に気づいたときのシーンとして、ひたすら上へ向かうエレベーターに乗り最後は何もない真っ白な部屋に着き下へ戻るエスカレーターがないという描写で表現されていました。
上へ上へと目指していたのに気づけば何も残っておらず、後戻りも不可能という状態が如実に表されています。
棋士として永遠に血がにじむような努力を続けざるを得ない大変さを、海を泳いで泳いで次の島へたどり着き、ついたと思えばまた嵐の海へ飛び込んで次の島を目指すという風に描写されていました。
真っ赤な海の中を泳いでいる様子から棋士は常にしんどい思いをしながら上を目指してるんだと感じさせられました。
③メリハリのあるストーリー
対局のために努力する熱いシーン、友人や仲間と楽しく談笑するシーン、ほっこりするシーン、人生に打ちひしがれる主人公を通して考えさせられるシーンなどメリハリがあります。
のほほんとした日常、熱い青春、ギャグ、すべてが詰まっていて見ていて飽きません。
主人公が悲しみに打ちひしがれていると思えば、近所の三姉妹が押しかけてきて無理やりおいしいご飯を食べさせたりなど所々でくすっと笑えて、でも芯のあるストーリーです。
④名言が多い
このアニメでは考えさせられるシーンが多く、たくさんの名言が散りばめられてます。
今回はその中からわたしが特に印象的だった言葉を紹介します。
「得たり失ったりはすべての人間に避けようもなく訪れるもの。
喜んだりがっかりしたりを繰り返し、人は自分の心の取り扱い方を学んでいくのです。
失望も寂しさも人間には必要な感情です。
勇気を出して新しい世界に手を伸ばすのは、寂しさゆえのこと。
そうやって人は自分の小さな世界を赤子のように手を伸ばして広げていくのではないでしょうか。」
これは主人公:零が新人戦でタイトルを獲得し、皆から祝福されたシーン。
自身のことでこんなにも喜んでくれる人が居るのかと浸っている最中、仲の良い先輩たちが高校を卒業して去って行く際に部活の部長が発した言葉です。
この言葉から、別れや寂しいという感情に対してポジティブに捉えられるように(*^-^*)
「泳いで、泳いで、泳いで、…泳ぎぬいた果てにやっとたどり着いた島。
ここまでくればもう大丈夫だ、ここにさえつけば、ここにさえい続けられれば、あれもこれもと多くを望まなければ、停滞を受け入れてしまえれば、思考を停止してしまえれば、もうここはゴールで、そしてもう一度嵐の海に飛び込んで、次の島へ向かう理由を僕はもうすでに何一つ持っていなかった。」
プロ棋士になってすぐ、「棋士になって家を出る」という目標が達成され燃え尽きていた主人公:零の言葉だ。
誰しも何かを達成した後は、また次の壁が現れてそれを乗り越えての繰り返しなんだと痛感。
人生で何か成し遂げたら終わりではなく無限に壁が立ちはだかり、乗り越え続けるのだと感じ、また机に向かおうと思うことができました。
このようにこのアニメは見て楽しむだけではなく、自己啓発にもなります。
『3月のライオン』を見た後は「頑張ろう、周りの人を大切にしよう」という気持ちになります。
このアニメは老若男女問わず楽しめます。
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