世の中によくいる女子のように「ディズニーは無条件に好き!」というわけでもないのですが、アラジンは数少ない例外の一つです。
ラブストーリーの基本はおさえつつコメディ要素もきちんと入っていて、見終わってからとてもハッピーな気持ちになれる。
なんだかニヤニヤしちゃう。
それがアラジンの世界だと思います。
「アラジン」あらすじと感想
まずはディズニーの中でも人気の高い作品「アラジン」の簡単なストーリーとその魅力を説明しますね⭐️
舞台は砂漠の王国・アグラバー。
中東の国を思わせるような、エキゾチックな街の描写とアラビアンな音楽が特徴的です。
盗むことで日々をしのぐアラジン
王のような優雅な生活に憧れながら、盗みで日々を食いつなぐ青年アラジンがこの物語の主人公。
いつか生活を大きく変えてやるという気持ちを胸に持ちながらも、今日食べるものに必死な毎日を繰り返していたのです。
アラジンの憎めないところは、やっとの思いで盗んだ食べ物を貧しい子どもたちに簡単にあげてしまうところ。
盗む=悪ですが、アラジンは本物の悪党ではなく実は純真な心の持ち主なのです。
アブーという名の相棒のサルをかわいがっているところも高ポイント。
映画の冒頭から見る者の心をグッとつかみます。
ついつい彼に肩入れしてしまいますよね。
世間知らずでピュアな心の持ち主ジャスミン
ある日市場でお金がなく困っている女性を見かけたアラジン。
何とか助けたいのですが、彼もまたお金を持ち合わせていません。
そこでアラジンは知恵とひらめきで、店主を騙して女性を助け出します。
途中でバレて泥棒として追われることになるのですが、2人はなんとか力を合わせて逃げ切りました。
そんな彼が市場で出会ったのは、王宮での生活に嫌気がさしお城をこっそり抜け出して市場を訪れたアグラバー国の王女・ジャスミン。
餓えた子どもに売り物のパンをためらいなく渡してしまうあたりに、彼女の育ちのよさと世間知らずな一面が端的に表現されているような気がします。
優しさと正義感を持っているけど、王宮というよろいに守られている幼さも感じますね。
自身は無一文なのに子どもたちにパンを渡したことでジャスミンは泥棒の濡れ衣を着せられ、アラジンが彼女を助けて2人は恋に落ちます。
この時点では、まだアラジンの片思いって感じですけどね。
現実ではそうそうありえないシチュエーションですが、恋が始まる時の甘い感じって、きゅんとしますよね。
アラジン、魔法のランプを探しに行く
アラジンは、王に仕える大臣・ジャファーからの命で「魔法のランプ」を探し出します。
ジャファーはランプを我がモノにして王宮を乗っ取ろうと画策していました。
けれども、アブーのおかげでランプはジャファーの手に渡らずアラジンのものになりました。
ランプを捜索中に助けた魔法のじゅうたんも、味方としてアラジンの活躍をサポートします。
ランプの魔神、ジーニー登場
ランプから現れた魔人・ジーニーはとってもひょうきんで楽しいキャラクター。
1万年近くランプの中だったので、誰かと会話できたり外に出られたりすることの喜びが爆発しています。
このシーンは、子どもも大人も思わず笑顔になる楽しいシーンなんじゃないかな。
しかし、ひょうきんなだけではないのがジーニーです。
ランプの魔人はとらわれの身。
力を手に入れた代わりに、自由になることは許されません。
3つ目の願い事の約束
心優しいアラジンは「3つ目の願い事はジーニーの自由をお願いする」と約束します。
会ったばかりの相手を信頼して、希望を叶えてあげようとするアラジンの優しさが身に沁みますね。
3つとも自分のためのお願い事にしませんか?
完全にディズニーに試されている気がしますね。
本題に戻りましょう。
1つ目の願い事で王子になったアラジン
アラジンは身分違いの恋を成就させるため、1つ目のお願いとして「ジャスミンと身分が釣り合う王子にしてくれ」とジーニーに命じます。
願いを叶えてアリ王子に変身したアラジンは王宮に出向き、無事にジャスミンと両想いになりました。
けれども、これはアラジンの仮の姿。
ジャスミンが実際に好きになったのは、アリ王子なんですね。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″][move]ジャスミンとの関係を壊したくないあまり、「王子は仮の姿」なのだということをアラジンは打ち明けられなく[/move]なってしまいます。[/moveline]
現実世界でもそうですが、外見や身なりは必ずしもその人の本質ではないということなんですよね。
アリ王子として嘘に嘘を重ねるアラジンは、嘘を見抜いたジャファーにつかまって海の底に沈められてしまいます。
嘘って、やっぱりいつかバレるよね。
そう思わせるシーンです。
2つ目の願い事で命を救われる
ジーニーによって助けられたアラジンは、ここで図らずも2つ目の願い事を使ってしまいます。
そしてこのあたりから、2人の考えにも変化が表れます。
ジーニーにとってアラジンは主従関係で結ばれたご主人でなく、いつの間にか大切な友人になっていたのでした。
3つ目の願い事、アラジンの心に芽生えた葛藤
一方アラジンは、3つ目に願うと約束していたジーニーの自由よりもジャスミンと自身の幸せな未来を優先したい…。
とっても悩ましい場面ですね。
どんなに純真な心を持っていても、他人より自分の幸せを優先したいと思ってしまう。
誰もが持っている利己的な一面が、アラジンの人間くささという形で表現されているような気がしますよね。
結局アラジンは、ジャスミンに嘘がバレることを懸念し「君の自由を願えない」とジーニーに告げてしまいます。
ランプがジャファーに奪われる
そんなとき裏で国の乗っ取りを企む悪い大臣ジャファーにランプを奪われてしまい、国が危機に陥ります。
つまりジーニーは、ジャファーの願い事を聞くことに…!
人生の岐路に立たされ、欲に目がくらんで間違った選択をしてしまう…妙なリアリティがあります。
ジャファーは狙いどおり国王の座を手に入れ、アグラバー国はめちゃくちゃになってしまいます。
ジャファーの暴走を止めようと立ち向かうアラジンでしたが、強大な力を手に入れたジャファーにかなうはずがなく絶体絶命の危機が訪れます。
その時彼がとっさに機転をきかせ、ジャファーは最強の力を手に入れるためにランプの魔人になることを願い、魔人となったジャファーはランプに閉じ込められて物語はエンディングに向かいます。
遂にハッピーエンドに
アラジンは必死に知恵を絞り戦ってそのジャファーを倒します。
アグラバー国はジャファーの支配から解放されました。
ですがアラジンの仮の姿は解け、元の貧乏人の姿をジャスミンに知られてしまいます。
そしてアラジンはジャスミンに嘘をついていたことを伝えます。
幻滅されたと思いこむアラジン。
ですがジャスミンは、彼の心の温かさや優しさに惚れたのだと主張します。
王は彼の勇気を讃え、身分違いでも二人は結婚することを許されます。
そして再びランプを手にしたアラジンは、3つ目のお願い事としてジーニーの自由を願うのです。
ついに自由になったジーニーは友人との別れを惜しみつつ、旅立つ。
退屈する暇がないほど、真剣に見入ってしまうストーリーです。
「アラジン」ストーリーの魅力
わたしが感じるアラジンのストーリーの魅力は大きく2つです。
1、魔法という非現実的な面と身分制という現実的な面の融合
何でも願いを叶えてくれる魔法のランプが存在する世界、いかにもディズニーらしい夢のあるストーリー設定です。
しかしあまりにも非現実的すぎると、子供のうちはそれで良くてもある程度大人になってから見ると少し冷めた見方をしてしまうこともありますよね。
この物語はそこに、その日暮らしのアラジンと何不自由なく暮らす王女ジャスミンという身分の違いを出すことでリアリティが加わり、見る方が世界観を具体的に抱きやすいよう工夫されています。
2、ハッピーエンドの恋物語の中にもしっかり教訓を織り込んでいる
貧乏時代は心が優しかったアラジンが魔法の力で王子様となり、恋にのめり込むあまり徐々に大切なものを忘れ仮の姿から戻れなくなる様子は、思い当たる節がありませんか?
大人でもドキッとさせられます。
恋人との時間を大切にするあまり周りの友人をないがしろにしてませんか?
・・・など現代社会で生きるわたし達にとっても教訓となる学びが多く得られる映画です。
「アラジン」から学べること
この物語には、色んな学びが隠れています。
誰かを助けたら、必ずあとで報われること→空飛ぶじゅうたんは、最後まで要所要所でアラジンたちを助けてくれました。
実力を使わず他力で何かを手に入れても、それはまやかしであること→身分を偽って王子になっても、結局真実を伝えないとあとで大事になってしまう。
賢さと貧富の差は関係ないこと→アラジンがきかせた機転は、学校ではなく社会生活の中で学ぶことですよね。
そして何と言っても素晴らしいのは、悪者にも救えるエンディングを用意していることではないでしょうか。
悪党を殺したりせず、ランプの魔人として生かしておくというところが、ディズニーらしく素敵な結末だな~と思います。
ジャファーとしても、願い事は3つ叶ったわけですから。それぞれがそれぞれの願いを叶えて未来に進んでいく中で流れる「Whole New World」のテーマソングも格別です。
みんなの幸せな結末を見届け、観客までもがハッピーな気分になれる素敵な映画。
それがアラジンです。
歌がとても◎
元々アニメ版から素晴らしかった楽曲が、少しアレンジを加えて、アニメ版よりも更にワクワクするような仕上がりになっています。
特に、アリ王子のお通りは、映像も相まって見てるだけでワクワクしてしまう作りになっていて、とても面白かったです。
また、実写版のオリジナルの曲も、実写版とアニメ版の違いをよく表現できている素晴らしい曲でした。
実写版のジャスミンは、国民のためを思っているけれどそれを王女だから実行できない、自分を抑え込むしかない、と悩んでいるキャラでした。
しかし、実写版ジャスミンの持ち曲、スピーチレスはその心情を曲と映像でうまく表現していました。
また、話の途中でジャスミンはその悩みに打ち勝って自分を押し出せるようになるシーンがあります。
そこでスピーチレスを歌うのですが、先ほどと打って変わって自分をしっかりと持っているかっこいい曲になっていました。
このシーンの映像も、ジャスミンの思うがままに行動をしていて、見ていてとても気持ちが良かったです。
映像はド派手で目が離せない!
映像もとても素晴らしかったです。
特に実写版アラジンはミュージカル映画なので歌やダンスのシーンが多かったのですが、画面の暴力と言ってもいいくらい目が離せないほど派手で楽しい映像になっていました。
ジーニー の歌うフレンドライクミー
もちろんアニメ版でも楽しい映像にはなっていたのですが実写版はもう派手さで見せつける、という感じになっていて、歌も派手になっていて、目と耳両方が実写版アラジンの世界に引き込まれる感覚を味わいました。
これだけでも十分楽しめたのに、そんな楽しいシーンが何シーンかあり、もうずっと目が離せない映画になっていました。
ホール・ニュー・ワールド
アラジンといえば有名なのがアラジンとジャスミンの歌う「ホール・ニュー・ワールド」かと思いますが、そのシーンもとても素晴らしい出来になっていました。
わたしはいい時間がちょうどなくて劇場で2Dで最初に見たのですが、それでも空を飛んでいる感覚を味わえました。
ディズニーなので、映像系のアトラクションの技術を使っているのでしょう。
それでもただの映画館で、しかも2Dの映像で空を飛んでいる感覚を味わえたことに胸がトキメキました。
あの瞬間、わたしもアラジンとジャスミン と共に絨毯に乗って空を飛んでいるかのよう!
是非とも空を飛ぶ感覚を色んな人にも感じて欲しいです。
実写版アラジンで初見1つだけ疑問に思ったこと【ネタバレ】
ラスト、ジーニーは人間なります。ジーニーは自由になりたがっていたのに、人間になる=自由に繋がるのか、と思いました。
しかし、もう一度見返した時別の感想に変わりました。実写版のジーニーは、ただ自由に自由自在に動きたいのではなく、自由に生きて好きになった人と自由に恋をしたいのだと感じました。
それを象徴するのが、実写版オリジナルキャラクター、ジャスミンの侍女ダリアかな、とわたしは思いました。
実写版アラジンではジーニーはダリアにほぼ一目惚れをします。
自分がランプの魔人であるという事実は隠してダリアにアプローチをします。
2人はいい雰囲気になりますが、ジーニーは敵であるジャファーに使役することになってしまいます。
その際ジーニーはダリアを見るのですが、とても悲しそうな顔をします。
それを見てわたしは、ジーニーはご主人が変わるたびに、それどころが新たなご主人が見つからないとずっとランプの中で過ごすことになり、1人の人間とは一緒に過ごすことができません。
そのため、ジーニーは自由に生きたい、自由な恋愛をしたい、人間になりたい、という願いに変わったのだと思いました。
アニメとは違う結末でしたが、それはそれでこれが実写版アラジンのジーニーの結末として素直に受け入れられました。
わたしは元々実写化には反対派だったのですが…
流石ディズニーです文句ない出来になっていました。
アニメ版アラジンにはない魅力をたくさん引き出していました。
キャスト
豪華キャストや声優についてお伝えしますね!
ウィル・スミス
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映画アラジンの見どころはなんといってもウィル・スミス演じるジーニー役(ランプの魔神)です。
アニメ版アラジンとはいい意味で全く異なる、実写版アラジンのジーニーが楽しめます。
アニメ版ではジーニーは太っていて明るく優しい口調のキャラクターでしたが、実写版では顔も体も口調もウィル・スミスそのものです。
でもそれがとても新鮮で素敵で、出来としてはすごく作品にマッチしていました。
彼の底なしに明るい性格や言わずも知れたスター性、お調子者の喋り口調や軽快なダンスなど、彼の魅力が全面的に良い方向へ反映されているように感じました。
特に王子登場のパレードは彼の踊りや歌がノリノリで、見ているこちらまでとても楽しい気持ちになるため大好きなワンシーンです。
また王子となった少年が調子に乗って大切なものを見失っていく場面では、普段明るい表情のジーニーが非常に残念そうな表情を見せます。
画面を通してでも、辛くて悲しい心情がひしひしと届く彼の演技力の高さは、流石だなと改めて感動。
山寺宏一
そしてもう一人。
映画アラジンを語る上で欠かせない声優が吹替版でジーニー役を演じた山寺宏一です。
大スターであるウィル・スミスの吹替なので、世間からの期待値や注目度も相当高いものでしたが、彼はそれを見事に越えてきました。
ウィル・スミス独特の喋り方やラップ混じりの歌い方を、日本語で違和感なく完璧に仕上げた彼の実力は認めざるを得ないレベルです。
実は彼はアラジン以外にも数多くのディズニー映画の吹替を担当しており、ディズニー好きなら誰もが知る常連の声優。
そんな彼の吹替の中でも、この「アラジン」のジーニー役は特にハマり役だったと感じます。
ぜひ「実写版アラジン」を見る際は、吹替版も合わせてチェックしてみてくださいね。
役者も吹き替えも上手かった
役者も吹き替えもとても演技がうまかったです。
あのうまさがあったからこそ、実写版の面白さを引き出していたと思います。
アラジン の役の人はアラジンで初めて見たのですが、まさにアラジン、かっこいい、と思ってしまいました。
アラジンがジャスミンを口説いているシーンでは、見ているこっちまで口説かれている気分になり、まるでアラジンのヒロインになった気分になりました。
一方ジャスミンはとても美しくかわいく、そして凛とした雰囲気も持ち合わせていました。
アニメ版では美しさが強調されていましたが、実写版は美しさと格好良さがいい塩梅になっていて、ジャスミン に惚れてしまいそうに…!
アニメ版とは違って、ラストはジャスミンからアラジンにキスするシーンでは、ジャスミンのかっこよさ大爆発という感じで、わたしは女ですがジャスミンに惚れてしまいそうになりました。
敵であるジャファー役の人も、アニメとは違って元々アラジンと同じドブネズミだった過去があります。
なぜビックになりたいのか理由が示されていなかったアニメ版よりキャラが立っていて、それに加えて役者もとてもハンサムで、とてもかっこいい適役として最後まで君臨していてぴったりの悪役になっていました。
しかし、ディズニーの悪役として勧善懲悪もしてくれていました。
しっかりと決着をつける良い終わり方になっていたのが、またジャファーの悪役が更に引き立つようでした。
実写版アラジンは何度もリピートする最高の映画
実写版アラジンは、色んな人の努力があって素晴らしい映画になっていたと思います。
ディズニーには是非とも実写版アラジンのような楽しく引き込まれてしまうような作品をもっと作ってほしいと思いました。
また、できれば実写版アラジンの続編があったら見たいなと思います(^_^)
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