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『アナザー・ウェイ―D機関情報―』のあらすじ

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『アナザー・ウェイ―D機関情報―』は西村京太郎さんの『D機関情報』の映画化作品で、1988年の秋に公開されています。

主演は役所広司さん、ヒロインはいしだあゆみさんということで、バブル絶頂期の時代を感じる贅沢な映画に仕上がっています。

目次

『アナザー・ウェイ―D機関情報―』の時代背景

時代は太平洋戦争(第二次世界大戦)末期、ヨーロッパに日本の国家存亡の危機を救う密命を帯びて渡った海軍士官の関谷中佐(役所広司)はベルリン、スイスで展開するスパイの陰謀に巻き込まれていったのです。

原作では男性キャラだったスイスの大使館員を女性の日下(いしだあゆみ)に改変することで、関谷中佐との間にそこはかとないロマンスを組み込み、物語を盛り上げていました。

『アナザー・ウェイ―D機関情報―』のさまざまな因縁

関谷を単身ヨーロッパに送り込むために日本海軍が伊51潜水艦を運用するところが前半のクライマックスですが、その撮影に使用されていたのが海上自衛隊の潜水艦『なだしお』です。

エマ

その『なだしお』が、公開直前の7月に東京湾の浦賀水道で遊漁船と衝突し、大きな社会問題になったのです。

撮影時にはそんなことになるとは予想もされなかったのだろうなと思うと同時に、黒光りする本物の潜水艦は物語に大変リアルな印象を残しています。

この鑑は2001年に海上自衛隊を除籍となっていますので、本作はその姿を残した貴重な映像になりました。

『アナザー・ウェイ―D機関情報―』が作られたのはバブル期の日本

キャストが豪華すぎる!

日本側も高橋英樹さんや平幹二朗さん、仲代達也さんといった重鎮のラインナップが作品世界の重厚さを作り上げていました。

一方ヨーロッパ側のキャストも大変豪華で、ドイツの俳優ウド・キア氏はユダヤ人でありながらナチスドイツの組織に潜入して暗躍しているスパイという難しい役を演じ、関谷に大きな影響を与えました。

全編ほぼヨーロッパロケという贅沢!

エマ

古い街並みや深い森など、スイスの美しい風景が画面からあふれて、そこに単身乗り込んでいく関谷の”異邦人”としての孤独をまざまざと表しています。

関谷は前半、海軍の詰襟の軍服を着用して登場しますが、ドイツ・キールの軍港で潜水艦を降りるとまるでヨーロッパの街並みに溶け込むかのようにスーツにコートという姿に変わります。

恐らく、その当時のヨーロッパの高級な仕立てのそのデザインは時代をじわりと感じさせる重要なアイテムとなっており、物語に深みを持たせていました。

そして現れたヒロインの日下も、クラシックで上品なスーツで、その立ち居振る舞いも大変美しく描かれています。
彼女は日本人ですが、ヨーロッパで生まれて育ち、スイスの日本大使館で働いているという人物です。

まだ一度も母国の土を踏んでいないからこそ、日本の現状を客観的に受け止め、そして関谷に”和平”という選択肢を与えるのです。

タイトルの『D機関』のDって?

このDは、実在の人物であるアレン・ダレスの名前からとられています。

彼はCIAの元長官ですが、第二次世界大戦中には対日和平工作のために暗躍していたという話をもとに、西村京太郎さんがこの物語を創作したのです。

そうしたリアルな歴史がベースになっているため、この物語は非常に重厚で見ごたえのある作品に仕上がっています。

でも私たちが一般的に知っている”西村京太郎”という作家のイメージが”鉄道ミステリー”であるところからははるか遠く、まだ若くてとても粗削りだっただろう彼のパワーと、彼のなかにあったスケール感がよく表れた物語です。

『アナザー・ウェイ―D機関情報―』一人、意外な人が出演。

西村京太郎さんとはソウルメイトのようだった作家の山村美紗さんの娘・山村紅葉さんです。

後に山村美紗サスペンス、西村京太郎サスペンスの常連となる彼女が、その先駆けであったかのようにさらりと登場しているのです。

まだ少しセリフ回しもたどたどしく、しかしほっそりとして可憐なドイツの大使館員として、ヨーロッパにやってきたばかりの関谷になにくれとなく気遣いを見せるという芝居を見せてくれています。

また観たい!DVD化希望します。

エマ

残念ながら、本作はVHSのみでDVDやブルーレイにはなっていません…。

役所広司さんの隠れた名作だと思っています。
もし叶うならもう一度じっくり観てみたい作品です。

スマホを見て会話している2人

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