『バットマン』と言えば、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイトトリロジー』が有名です。
2000年以降に公開されたこのシリーズは若者を中心に非常に人気があり、とても話題になりました。
また、これらの作品でバットマンに魅せられた映画ファンは少なくないでしょう。
そんな方にぜひ観ていただきたいのが、ティム・バートン監督の『バットマン リターンズ』です。
この作品は同じくティム・バートン監督の作品で、『バットマン』の続編にあたります。
『バットマン リターンズ』個性的なキャラ達とコミカル&悲しいストーリーが魅力
ティム・バートンのバットマンシリーズは全部で4作品ありますが、どの作品も悪役のキャラが立っており、シュールでキョーレツな世界観を楽しむことができました。
その中でも、わたしが特に印象に残ったのがやはり『バットマン リターンズ』。
『バットマン リターンズ』見どころを解説
ヴィランとして登場するペンギンは、幼いころに両親に捨てられたという悲しい過去を持ったキャラクター。
その名の通り、見た目はペンギンによく似ています。
過去のトラウマがあるゆえひねくれた性格で、バットマンを境地に陥れようと悪戦苦闘。
やっていることはメチャクチャで腹が立つのですが、どこか憎めない不思議なキャラです。
また、本作品のもう一人のヴィランであるセクシーなキャットウーマンの活躍も見逃せません。
ミシェル・ファイファーの魅力が、しっかりと伝わってきました。
悪役への思い入れがやけに強い作品ですね。
ちょうどクリスマスシーズンの話なので、雪の降る同じ頃に観ると尚更良いかも知れません。
物語の舞台となるのは、やはりゴッサム・シティ
非常に暗いオープニングでありながらスタイリッシュな映像。
バットマンのタイトルが映し出された頃から一気にテンションが上がりました。
その後、街のクリスマスツリーの点灯式に集まった人々を奇妙な集団が襲いますが、ここまでの展開がわずか15分程度と非常に短く感じられます。
全体的に話がテンポよくサクサク進むので、一気にこの世界に引き込まれました。
どくろの悪党の集団が、あんまり悪そうに見えないキッチュな雰囲気で、良いですね。
ティム・バートン監督の作風が反映されている
ショッピングモールのキャラクターの看板や乗り物もポップで、どこか玩具っぽいところがツボです。
特にペンギンが愛用している、黄色いアヒルの船がとてもキャッチ―で新鮮でした。
1990年代の映画ということもあり、全体的な色調がややカラフルな印象です。
一般的に言われるダークファンタジーのイメージからは、ややかけ離れています。
また監督の作風もあり、メイクや衣装なども非常に凝った仕上がりとなっています。
ペンギンがバットモービルを遠隔で操作する場面や、地下から突き出してくるシーンの唐突さは、最近の映画ではなかなか観られないかなと思いました。
社会問題も取り上げていて、奥深さも感じられるストーリー
非常に分かりやすい物語ですが、同時に社会問題などを考えさせられる部分もあり、奥は案外深いです。
異形であることで両親に捨てられたペンギンですが、両親以外の社会のあり方にも問題が感じられます。
女性であるがゆえに会議に口を挟めない秘書セリーナの描写なども、明らかに問題意識を持って描かれており、興味深いです。
【滑稽】ペンギンが市長の子供を救い出すかのようなシーン
見どころはたくさんありますが、ペンギンが市長の子供を救い出したかのように演出するシーンはとても印象的です。
またその途端、世間の彼に対する評価が変わり、一気に人気者に成り上がっていく展開も、見逃せません。
滑稽ですが「世間ってこんな感じだよね」というのが、上手く描かれているなと思いました。
はぐれ者であったペンギンが注目の人物として描かれる展開がティム・バートンならではという感じがしますね。
とにかく演出が上手いです。
しかしやはりボロが出て、また落ちていくのが悲しい。
結局ショッピングモール経営者のマックスが一番悪いよね、ってさりげなく言っています。
原発事業に対して反対の意見を持つ市長が厄介だから、ペンギンはマックスから上手く利用されただけの存在。
虚しい結末であるがゆえ、よりインパクトがありました。
それ以外では、ブルース・ウェインとキャット・ウーマンの恋愛話もそれとなく盛り込まれていて、エンタメ性に優れた作品と言えるでしょう。
\『バッドマン リターンズ』配信中!/
今なら31日間無料トライアルできます。
本ページの情報は2022年11月時点のものです。
最新の配信状況はU-NEXT公式サイトにてご確認ください。
comment