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『BEST GUY』映画のあらすじと見どころを解説

BEST GUY

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バブル期に某商社の出資を受けて東映が制作した、日本版”TOP GUN”とも言われている航空自衛隊を舞台にした作品です。

目次

主演、織田裕二の黒歴史!?

この後「東京ラブストーリー」「振り返れば奴がいる」など様々な作品を経て「踊る大捜査線」シリーズが定着したらほぼ忘れられている”黒歴史”的な作品と言われています。

エマ

でも20代前半の織田裕二さんが自衛官、それもF-15のパイロットを演じている貴重な映像だと思っています。

その当時は現在とは異なり、まだ自衛隊に対する社会的な評価がいろいろと難しく、「ゴジラ」シリーズ以外に自衛隊を舞台にした作品が殆どなかったこともあって、新鮮でした。

トム・クルーズの「TOP GUN」日本公開から4年、まだその記憶が新しかったこともあって、二番煎じのような酷評もありました。

けれども、その当時の自衛隊でできうる限りの撮影協力を行い、広報的な効果もそこそこあったということなので、自衛隊や航空機のファンの中には貴重な記憶として残っています。

『BEST GUY』あらすじ

織田裕二が演じていたのは二等空尉の梶谷英男という男

彼は宮崎の新田原基地から千歳基地に転属してきたばかりの問題児のパイロットだったのです。

配属された部隊、201飛行隊には、同じく戦闘機の操縦士として殉職した兄のバディだった、吉永三佐(古尾谷雅人)がいました。

梶谷は吉永に対して兄の事故の真相を知りたい思いが先走り、反発を覚えていたのです。

カナダのアーティストのPVを撮影するクルーが千歳基地に

そのチームを率いるディレクターの水野深雪(財前直見)は、夜明けの空を飛ぶF-15の編隊の機影を見てその迫力に圧倒され、防衛庁に掛け合って撮影許可をとってきたという勝気な美女でした。

梶谷と深雪はお互いにどこか惹かれながらも素直になれないままに時が流れ、そのうちに201飛行隊の中での”BEST GUY”の称号を争う戦技競技会が始まったのです。

墜落事故

梶谷はたたき上げの自衛官。

その鼻っ柱の強さから訓練飛行で大暴れするけれど、201飛行隊きってのエースで防衛大学校出身のエース・名高一尉(長森雅人)はとてもクールで、梶谷を正面から相手にしません。

ところが、その2人が一緒についた深夜のアラート勤務で某国の航空機が領空侵犯を引き起こしてスクランブル発進し、無事任務を果たしたものの、梶谷は空間識失調に陥ってF-15を墜落させてしまったのです。

エマ

無事に脱出をしたものの、自分の技量に対して自信と戦意を喪失してしまった梶谷は基地を離れます。

ほぼ時を同じくして深雪も危機的状況に

エマ

深雪がフリーのディレクターとして仕事を請け負っていた制作会社の機構が変わり、目指していたアーティストのPVの制作がとん挫してしまったのです。

傷心の2人は東京で再会しましたが、反発や複雑な気持ちをぶつけあいましたが、しかし深雪の叱咤によって梶谷は千歳の部隊に復帰し、”BEST GUY”の選出のための訓練飛行に参加しました。

深雪も「一人でも撮影を続けようと思って!」と、そんな梶谷を追って千歳にやってきました。

パイロットのプライドをかけた空中戦が展開

エマ

その座を得たのは、周囲の想定の通り名高一尉。

でも次点になった梶谷もまた、それまでの彼とは違う何かをつかんで、清々しい顔をしていたのです。

…というわけで、名高が映画『TOP GUN』に於けるアイスマンのポジションで、腕は良いけれどやんちゃで上官に睨まれる問題児パイロットという梶谷は、まさにトム・クルーズが演じたマーヴェリックだったな、と今でも思っています。

まとめ

監督が「蘇える金狼」や「野獣死すべし」などで知られる村川透氏という贅沢さや、後に亡くなった古尾谷雅人氏の姿が見られる貴重な映像であること…。

今はもう建て替えられてしまったJRの原宿駅の古い木造の駅舎や、織田裕二さん・財前直見さんらのバブル期のファッションや、北海道のアルファ・リゾートトマムなどの美しい北海道の風景が見られるなど、懐かしくも心躍る作品になっています。

当時の航空自衛隊としては千歳基地だけでなく、秘匿性の高いレーダーサイトなどでも撮影を行っており、既に現行のシステムとは全く異なるという点において、貴重な資料的な役割ももっている作品です。

個人的には、もう少し高めの評価を得ても良いと思われる映画です。

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