わたしの中でストーリーが忘れられない映画があります。
なんとも言えない感情になりその日一日映画のことを考えていました。
そのぐらい印象的だった映画のタイトルは、「運命は踊る」です。
「運命は踊る」キャスト
- リオル・アシュケナージ
- サラ・アドラー
- ヨナタン・シライ
- シラ・ハイス
- ユダ・アルマゴル
- カリン・ウゴウスキー
「運命は踊る」あらすじ
息子の戦死を告げられた家族。
ところがそれが誤報と分かった。
ならば戦地から戻ってくるように家族は頼んだ。
そして息子は戦地から戻る際、交通事故で死んでしまう。
それでも息子戦死となった。
あのとき戦地から戻ってくるように言わなければ息子は死なずに済んだかもしれない。
そんな事を思いながら、息子の死を受け入れながらも、家族は崩壊してしまう。
母親はアル中になり、父親は家に戻ってこなくなり、家族が崩れ落ちて映画が終わるのです。
イスラエルという国とパレシチナ自治区という不思議な国境線の管理をしていた息子
至って平和で穏やかな一日にが終わる中、家族は戦死から酷い戦地にいるのではないかと思うのだった。
さらにこの映画なんともユニークな描き方をしているのです。
一体なんのために働いて兵士に慣らされているのかわからない状態で任務がいつ終わるかもわからない。
傾くドラム缶の中で過ごす日々。
誰も違和感を持っているけれどどうする事もできないで、時代の流れだけが過ぎていく。
息子の父親も戦地に行ったことがあり、戦地がどういうところ知っていた。
その中での決断が家族の崩壊を招く。
薬と時間に管理され、息子の戦死聞かされて、挙げ句、誤報と知ったときの人間模様を描く
まるで感情がコントロールできないように崩れていく。
お国に逆らう事も出来ず、国に違和感を抱きながら従う事の重要性。
でも本当に重要な事は何なんだろうか?
なぜ生きているのか?
そんなことを考えさせられる不思議な映画でした。
それでも理解しようと苦しむ映画でもありました。
色々な映画を見てきた中で、分からない映画も有れば、ただ面白いだけのモノあり、感動する映画も有れば、考えさせれるモノもありますが、この映画はどれ一つ該当しない映画です。
理解しよう何度も見てしまい、妙な魅力がある不思議な作品
イスラエルの歴史も調べてみたり、パレシチナの事も調べてみたりした中で、何度みても分からない映画です。
そして何度見ても飽きないのです。
そして少しずつも理解できるようになったとき、なんとも言えない納得感に包まれました。
何よりも1度では分からないが、2度見ればわかる箇所も。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]更に疑問が出てきて調べてから再度映画を見れば、[move]理解が深めるのではなく、「理解できなく」なる[/move]のです![/moveline]
細かいところまで注意してみると小さな抵抗と小さな皮肉が込められているのだと気付く
それがこの映画の最大の魅力です。
今までとは全く違う映画なのです。
これまでの固定概念が崩れる映画です。
映画監督が多くいるユダヤ系の作品の中で、変わった立ち位置
ナチス系映画とも異なる視点で、描かれているのはなんとも美しく、繊細な作り。
単純ストーリーの中に見えない抵抗を感じたとき考え方が変わり、一日中映画のことでなにも手につかなくなるぐらい…。
今までの経験と体験した映画では言い表せないほど、奇妙な終わり方をします。
【余談】実はイスラエルで公開されてない!
舞台ともなっているのに放映されない理由は、最初は分からなかったのですが、5回目にして理解しました。
そのぐらい見ないと謎解きができない映画はないと他にないのでは??
そしてそれだけ見ても飽きないどころか発見がある映画で、その度に本で調べたり、ネットで検索するほどです。
そのぐらいハマってしまう魅力こそが、見えない皮肉のオンパレード
家族と兵士の行動と街中の人など些細なところで描かれているので非常に繊細でそれでいて、ストレートに伝えています。
しかしその裏読みする必要があり、その裏読みこそが、本来目指すべき姿のイスラエルとパレスチナの関係なんだと思いました。
より深くみるにはキリスト教とユダヤ教の考え方と習慣を理解しないとその皮肉がわからない
その部分が描かれているのが、母親がタワシで自分の手を強く擦っている姿と、父親が熱湯を手に当て続けているシーンです。
そのシーンで描かれている心理こそ、宗教の違いなのです。
裏切り者のユダから始まるストーリーでもあり、イギリスがイスラエルという国を作った背景にも関係している気がしてなりません。
それが分かるのが銃を持って踊るシーン。
そのとき兵士の一言から読み取れます。
これだけのヒントを得た上で映画を見て頂ければ、不思議でなんとも言えない感情に満たされて、モヤモヤするかも知れないですね。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]でもそれを乗り越え、[move]理解できたときの開放感をぜひ味わって頂きたい[/move]ですね^^[/moveline]
マイナーな映画だけど、これまで観た映画の中で最高傑作だった思えるほど!
それは言論の自由がある日本とない国で映画を作るとなったとき、細かいところで伝えるしかなく、セリフよりも無言演技の中でしか語れない国があるということです。
それでも自国では見れない作品なだけ、貴重なのです。
映画では政治批判は一切していない。
だけれども、パレスチナ問題にはもううんざりしている。
そのことを誰も言えずにいる。
国境線がテーマになっているこの映画の結論
- もうウンザリでもういいよ。
- 仲良くやりたいよ。
- ナチはもう昔の事。
- 徴兵ももうウンザリ。
- もう全て止めたい。
そんなメッセージがあるように思える映画です。
昔のことは水に流そう。
今は今しか無いことを自由を持って生きていきたい。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]そんな事を[move]間接的かつ、露骨にバレ無いように、見え隠れさせる[/move]映画です。[/moveline]
そして見終えたとき深く考えさせられるのと不思議な気分になり、頭からストーリーが離れなくなるのです。
国境や国家がどうあるべきか模索する日々の中で、矛盾したところで考えて生きている国民がいるという事を伝えたい映画だと思っています。
Twitterでの評価
これ言うの8回目ぐらいだけど!イスラエル・ドイツ・フランス・スイス共同制作の映画『運命は踊る』を観て!!!!!!
— Вако (@kngjwk30) May 25, 2020
ある夫婦に兵士である息子の戦死が告げられる『運命は踊る』。サミュエル・マオズ監督・脚本によるイスラエルの映画。第74回ヴェネツィア国際映画祭で、審査員大賞を受賞。運命の皮肉を描く映画で、内容は全く違いますが、愛する者の喪失からの回復を描く『息子の部屋』との共通点をすごく感じました。 pic.twitter.com/OUAodocEaR
— 遊山直奇 ゆうやまなおき (@youyama) May 9, 2020
サミュエル・マオズ監督・脚本2017年の「運命は踊る」を。リオル・アシュケナージ&サラ・アドラー主演のミステリー。イスラエル映画。物語自体は非常に陰鬱だが、演出がひたすら素晴らしい。夫婦、親子、人生の縮図が此処にあるのかもしれない。次回作が楽しみな監督がまた一人。堪能。 pic.twitter.com/IeNmqjUOVd
— shinichi A BE-AR (@purissima_bear) April 25, 2020
運命は踊る。アニメ描写からの一気に時間を飛ばす演出以外見るとこない作品だけど、戦死した息子の遺品のクサを巻いた両親が2人で回しながら次第にハイになって悲しみを一瞬でも忘れようとするカットは良かった。アルコールみたいな暗さがない。大麻の解禁はまだっスかね?っていうイスラエル映画 pic.twitter.com/svTbcsLGcw
— (๑•̀ㅂ•́)و✧xx55gxxだよ (@xx55gxx) March 22, 2020
運命は踊るはインド映画かと思った。別に映画的に終始踊るのイメージとは真逆なのに、踊ると付けるセンスのなさ。運命についても踊るは全く不似合いだ。映画としては良かった。良くある細部まで画面をこだわった美しい映画だった。好きです。
— 落合福祉 (@pxB7UxrOk0ieDIt) March 21, 2020
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本ページの情報は2020年5月時点のものです。
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