2000年公開、ラッセ・ハルストレム監督の「ショコラ」という映画が大好きです。
心温まるヒューマンドラマの要素も、とびきり甘いロマンスの要素も、どちらも純度100%の映画で、見終わったあと、心の中にじんわりと、ほっこりと、あたたかさが残るとても素敵な映画です。
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「ショコラ」あらすじ
主人公の女性ヴィアンヌは、娘と2人、昔ながらの古めかしい風習が残る閉鎖的な村にやってきてチョコレート店を開きます。
村の人びとは、よそ者の彼女に対して、「変な奴」「快く受け入れたくないな…」という複雑な気持ちを持ちながらも、彼女がくれるチョコレートの美味しさに、少しずつ心を開いていきます。
彼女は不思議なことに、その人の好みにぴったり合ったチョコレートをぴたり当てることができるのです。

村に、海賊(ジプシーたち)がやってきた
閉鎖的で古めかしい村とは不釣り合いな彼らですが、ある日、一味のひとりである青年が、チョコレート店の彼女と出会います。
やがて2人は恋に落ちるのですが、村の人びとの目は冷ややかなものでした。
一度は心を開きかけていた村の人々との距離がまた開いてしまうことをもちろん彼女は悲しみますが、彼女にとって彼は、そんな思いをはねのけるほどとても特別な存在でした。
物語の終盤、イースターの日
よそ者をなかなか受け入れられない古い村でしたが、司祭がこんなことを言います。
「否定するのではなく、何を受け入れるかが、重要なのではないか。」
よそ者というだけで、その人の本質を見ずに距離を置いてしまう、知りもしないうちから毛嫌いしてしまう。
これから先もずっとそんな風に、心を閉ざして生きて行っていいのか。
村の人々はこの司祭の言葉に、心を打たれます。
そして誰より心打たれたのが、チョコレート屋の彼女。
村にとどまることを決めた
彼女は毎年、北風が吹くと、北風とともにその地をあとにし新たな土地で暮らす、という人生を送っていました。
しかし、この村の、甘くて苦い人間のあたたかさに触れ、この地にとどまる決断をするのでした。
ジプシーの青年は、あれから村をでていました。
彼女とは、「店のドアを修理しに戻ってくる」と、心もとない約束だけを交わしていました。
しかし、物語のラスト、本当にドアの修理をしに戻ってきた青年。



人間臭い魅力的なキャラクターたち
訳もなくいつも不機嫌だったり、自分の意見を言えなかったり、いつも人目を気にしていたり。背筋を伸ばして堂々と生きている人は、ともすればチョコレート屋の彼女ぐらいかもしれません。
しかしそんな彼女も、いつも明るく元気なわけではもちろんありません。
彼女が抱える悩み、辛さ、本当は折れそうな心。
そんな部分が垣間見えた時、改めて、彼女のまっすぐさ、明るさ、自然さに、見ている自分自身も元気をもらえるのです。
まるで、疲れ果てた時にひとつつまんだチョコレートのように、心を少しだけ満たしてくれるのです。
優しくてあたたかい映画
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]人間はきっと、[move]綺麗な心ばかり持っていないし、素直でまっすぐな心ほど、目を背けてしまう生き物[/move]だと思います。[/moveline]
いつでも前だけを見て、いきいきと生きている人間なんてきっといない。
きっとみんなそれぞれ悩みを抱え、嫉妬したり、羨んだり、人を嫌うことで自分の心を守ることもある。
そんな人間の汚い部分を、ただやみくもに受け入れるのではなく、受け入れたうえで少しだけ、明るい方に導いてくれる。
そんな、優しくてあたたかい映画です。
キャストの魅力
この映画のもうひとつの魅力は、キャストにもあります。
ジプシーの青年を演じる若き日のジョニー・デップ
当時30代半ばで、とにかくかっこいい時期なんです。
髪を伸ばしてオールバックにし、ギターを片手に川辺で歌っている姿は、それはそれは素敵です。
ジョニー・デップ好きな人にこそこの映画をぜひ観てほしい、そして若き日の色気を堪能してほしいなと、密かに思っています。
人生の節目節目に繰り返し観てきた「ショコラ」
その頃はただ、ジョニー・デップかっこいいなぁくらいの気持ちで観ていましたが、社会にもまれて、本気の恋愛もした20代、そして結婚して出産した30代、さまざまな人生の節目でこの映画を観てきましたが、抱く感情は少しずつ変わっています。
これから先、私の人生がどう変わっていくのか、そしてその時にまた観る「ショコラ」は今度はどんなことを教えてくれるのか。
たった1本の映画ですが、これからもわたしと共に歩く大切な映画として、一緒に生きていきたいなと思います。
まとめ
もちろんチョコレート味だったり、チョコチップ入りだったりするのですが、衝撃的なのが、普通の料理にもふんだんにチョコレートを使っていること。
そのなかでも1番驚いたのが、お肉にチョコレートソースをたっぷりとかけていたシーンでした。
スパイスがたくさん入っているみたいで、味の想像など全くつきません。
見た目にも、完全に肉の塊にチョコレートがドバーッとかかっていて、とても「美味しそう!」とはならないのですが…あれが気になって仕方ないのです。
あまりにも異国情緒が漂いすぎて、というか、自分の概念にはない食べ方すぎて、忘れられません。
今でもあのシーンは、わかっていてもびっくりしてしまうのですが、いつの日か自分であのチョコレートソースがけのお肉を再現して、1人こっそり食べてみたいな。
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本ページの情報は2020年12月時点のものです。
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