「ロッキー」と並ぶシルベスター・スタローンの代表作「ランボー」のシリーズ第1作。
この2作品は、スタローンのライフワークと言ってもいいでしょう。
「ロッキー」は1976年、「ランボー」は1982年に封切られているので、40年以上前から続いていることになります✨
でも主人公のロッキー・バルボアと、ジョン・ランボーは対照的なキャラクターの持ち主。

ボクシングの試合後リング上で「エイドリア~ン」と雄たけびを上げるロッキーに対し、ランボーはベトナム戦争を引きずったままで「戦争はまだ終わっていない」と嗚咽を上げます。
2人の男を演じるスタローンの実像はどちらに近いのでしょうか。
今回は「ランボー(原題=First Blood)を掘り下げていきましょう。
『ランボー』あらすじ
ベトナム帰還兵のランボーが戦友を訪ねるところから、物語は始まる
山あいの小さな町にたどりついたランボーでしたが、戦友は戦争の後遺症のためすでに亡くなっていました。
仕方なく引き返すランボー。
12月の厳しい寒さに思わず上着の襟を立てます。
見上げると空一面曇天。
出だしから悲しいシーン。
これが最後まで続くのがこの作品の特徴です。
ランボーは作中ほとんど笑いませんし、前半はセリフも本当に少ないのです。
町から出ていけ、と言われたものの…
ここで登場するのがブライアン・デネヒー演じる保安官のディーズル。
ランボーに町から出ていけと告げ、パトカーに乗せ町の外れで降ろします。
ここで素直に町を出ていれば何事もなく終わったのですが、映画ですからそうはいきません。



ランボーが引き返したから、さあ大変。
ディーズルはサバイバルナイフを所持していたランボーを浮浪罪と公務執行妨害で逮捕してしまうのです。
ここで原題のFirst Bloodが意味を持ってきます。
First Blood、訳すと先制攻撃。
逮捕に至るいざこざで手を先に出したのはランボーかディーズルか、といったところ。
ま、ここは保安官の旗色が悪いのは明白ですね。
それにしてもデネヒーの顔も体形も役柄にピッタリ。
映画を見ているほうからすると、一発でランボーかわいそうとなりますね。
実際、戦友は亡くなっているは、権力を振りかざす保安官にいちゃもんをつけられるはで、まさに踏んだり蹴ったり。
ここでキレなかったランボーあんたは偉い。
あとから信じられないほどキレるんですけどねww
署に連行され、そこで警官たちに拷問まがいの取り調べを受けるランボー
ここでベトナムで受けた拷問がフラッシュバック。
自分のサバイバルナイフを取り返しバイクで山の中に逃げ込むのです。
ここからランボーは〝一人だけの軍隊〟と化します。
保安官たちとの戦闘の中で死者まで出てしまい、州兵が出動するほど騒ぎが拡大。
そこへランボーの元上官トラウトマン大佐が説得のため派遣されます。
トラウトマン大佐を演じるのがリチャード・クレンナ。
この大佐、常に傍観者といった感じでいい味出してます。



もっとランボーを助けるなりすればいいものを…。
この姿勢は第2作の「怒りの脱出」でも変わりません。
中盤の見どころはランボーの実戦仕込みの戦闘術
そしてランボーがディーズルにナイフを突きつけ言うセリフ「この山では俺が法律だ」。
これはディーズルがランボーを逮捕した時に言った「俺がこの町の法律だ」に対する答え。
迫力満点でした!!
坑道に閉じ込められたランボーは持ち前のサバイバル術を駆使して脱出。
町へ向かいます。
ガソリンスタンドや銃砲店を爆破。
警察署でトラウトマン大佐がランボーの説得に当たります。
ランボーが涙ながらの訴え
ベトナム戦争が終わり7年がたっても、ランボーの戦争は終わっていないこと。



戦地の仲間の死にいまだにうなされていること。
戦地では英雄でも、国に帰ればまともな仕事に就けないこと。
決して活舌は良くないスタローンですが、かえってそれが真実味を増します。
そしてランボーは投降し、トラウトマン大佐によって連行されていきエンディング。
悲しい…。
【まとめ】『ランボー』は、ただのアクション映画ではない
こんなに暗く悲しいアクション映画があるでしょうか。
最後は悪者をやっつけて気分爽快の映画とは対極にあります。
ディーズル保安官が敵と言えば敵ですが、それもほんのちょっとした行き違いから生まれた衝突で、どこにでも転がっているつまずきではないでしょうか。
それがまた悲しみを増す要因になっているのかも知れません。
ベトナム戦争を別の角度から扱ったこの作品。
一見の価値はあります。
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本ページの情報は2022年11月時点のものです。
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