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「勝手にふるえてろ」あらすじと感想|脳内片思いの暴走ラブコメディ

勝手にふるえてろ

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ホリプロとソニー・ミュージックエンタテインメント社によって製作されました。

2017年の12月1日からシネ・リーブル梅田で先行上映された後に、23日からはファントム・フィルム社の配給によって全国ロードショーされています。

メガホンを取っているのは、大九明子監督。

美容整形にとり憑かれた女性が恐るべき復讐劇を繰り広げていく「モンスター」や、美大生の新天地での出会いと成長を描いた「恋するマドリ」などが有名。

骨太のサスペンスから繊細なタッチの恋愛ストーリーまでを手掛けています。

第30回の東京国際映画祭ではコンペティション部門に出品されて観客賞を獲得した他、新宿シネマカリテでの歴代興行収入1位にランクインしました。

綿矢りさによって2010年8月30日に文藝春秋から刊行されている、第27回織田作之助賞受賞作がもとになっています。

中学生の時に好きになった相手と脳内恋愛を続けてきた引っ込み思案なヒロインが、戸惑いながらも生身の男性と向き合っていくロマンティックコメディーです。

目次

「勝手にふるえてろ」あらすじ

雪深い田舎町で生まれ育った江藤良香は、幼い頃から人見知りが激しくて奥手な女の子でした。

中学校に進学した後も教室の隅っこでマンガばかり書いていた良香に、運動会の閉会式の時に話かけてくれたのがクラスメートの一宮です。

[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]それ以来良香は、[move]一宮を勝手に胸の奥底で恋人としてキープいましたが、いつまで経ってもその想いを口に出すことができません。[/move][/moveline]

卒業後に上京した良香は練馬区小舟町のアパートでひとり暮らしを始めて、花火製造メーカーの経理部門に就職します。

同期入社の月島来留美は良香にとっては数少ない友だちで、付き合いで連れていかれた先の飲み会で急接近してきたのが営業課に所属する霧島です。

永遠の初恋の相手・一宮のことを「イチ」、初めてリアルに告白された霧島のことを「ニ」。

それぞれに相応しいあだ名を付けた良香は、まるっきり正反対な外見と性格を持つふたりの男性の間で目まぐるしく揺れ動いていくのでした。

「勝手にふるえてろ」キャスト

主演:松岡茉優

はち切れんばかりの妄想で頭がいっぱいになっている異色な主人公、江藤良香役を演じているのは松岡茉優です。

朝井リョウが平成生まれ初となる小説すばる新人賞に輝いた「桐島、部活やめるってよ」から、仙台を舞台にした伊坂幸太郎のベストセラー小説「ポテチ」まで。

これまでにも数多くの文芸作品の実写化には重宝されてきただけあって、今作での主役抜擢は原作のイメージを損なうことなくピッタリ填まっていました。

はた迷惑の塊のような暴走ヒロインも、この女優さんの情感あふれる表情と確かな演技力にかかるとまるで嫌みがありません。

一宮:北村匠海

良香がただひたすら一途な気持ちを寄せている一宮の役には、北村匠海がキャスティングされています。

1997年生まれの東京都出身になり、俳優業の他にもダンスロックバンド「DISH//」のメインボーカル兼ギタリストとして活躍しているのも有名ですね。

この映画の撮影中に実生活でも高校を卒業して20歳を迎えていて、これまで多用されてきた男子高校生役からガラリとイメージを変えていて新鮮です。

ベテラン俳優が脇をしっかり固める

フレッシュな2人の魅力を引き立てるべく、ベテランの役者として古舘寛治や片桐はいりがしっかりと脇を固めていました。

「勝手にふるえてろ」感想

無機質なオフィスの中で黙々と伝票とにらめっこしながら電卓を叩いている、江藤良香の仏頂面がオープニングショットから映し出されていました。

良香のデスクに近づいてきてやたらと気安く話しかけてくるのは、プロジェクトで億単位の金額を動かしていると自慢気に語る霧島です。

エマ
提出した書類の数字が間違っている箇所を良香に指摘された途端に、「昨日は3時間しか寝ていない」と開き直り他人の赤鉛筆を無断で使う厚かましさにはあきれ果ててしまいますね。

霧島の方は積極的にアプローチをしてきますが、良香の方からは全くといっていいほどリアクションがありません。

中学生時代にただひと言会話を交わしただけで心を奪われた、「イチ」こと一宮に捧げる並々ならぬ思い入れが伝わってきます。

良香のお隣さんで朝から晩までエアリード式の笛を吹いている岡里奈は「オカリナ」、月島来留美のハンサムで仕事ができる彼氏・高杉アキラは「出来杉くん」、良香や来留美の上司でありヒゲにサスペンダーの経理課長には「フレディー」。

エマ
自分の周りの人たちの名前をまったく覚えようとはしないくせに、ニックネームを付けるのだけはやけに上手い良香には笑わされました。

オカリナさんのお気に入りの曲は坂本九の「見上げてごらん夜の星を」で、遅くに疲れ果てて帰宅した良香を優しく包み込むような癒しの効果があります。

[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]フレディー課長がパソコンのディスプレイ越しに来留美に概算を要求した途端に、[move]何処からともなくクイーンの名曲「We will rock you」のステップ[/move]が聞こえてきてビックリです。[/moveline]

良香と同じくもうひとり人の名前を忘れてしまう特異体質を持った意外な人物が、物語の後半になると出てきますので見逃さないで下さい。

SNSのアカウント乗っ取りまで企てて、中学校の同窓会に漕ぎ着けてしまう良香のエネルギーには圧倒されます。

期待に胸を膨らませてようやく愛しの一宮との再会を果たしながらも、ことごとく空回りした挙げ句にあっさりと残酷な現実に打ちのめされてしまうのがほろ苦いです。

恋愛初心者の良香にとっては理解あるアドバイザーであった来留美と仲違いをして、ついには第2候補の霧島からも見放されて。

世の中の流れから完全に置いてきぼりを喰らったかのような良香に訪れる、起死回生のチャンスが圧巻でした。

まとめ

エマ
思い込みや憧れだけで突っ走ってきた良香がふと立ち止まった瞬間に、1番身近にいた大切な人の存在を噛み締めるクライマックスにはホロリとさせられました。

スタッフロールとともに大音量で鳴り響くのは、本作の霧島役でもありロックバンド・黒猫チェルシーのボーカリストでもある渡辺大知が熱唱する「ベイビーユー」です。

歌詞の中に登場する「伝えたかったこと、ちゃんと伝えたかったのにうまくいかない」というフレーズが、不器用ながらも最後までピュアな良香に重なります。

気になっている異性に今一歩踏み込んでいけない草食系男子の方たちや、他者とのコミュニケーションに四苦八苦しているこじらせ女子の皆さん、是非ともこの1本をご覧になってくださいね⭐️

勝手にふるえてろ

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