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『火垂るの墓』戦争が悪いんだ。みんな生きるのに必死だったんだ。

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『火垂るの墓』、戦争の最中、儚く生きた2人の兄妹の物語。

戦争映画はあまり好まないわたしですが、このアニメだけは節子に会いたい気持ちが勝って何度も見てしまいます。
目次

『火垂るの墓』の概要

『火垂るの墓』は1967年、野坂昭如氏により発表された短編小説です。
その後、1988年に高畑勲監督・脚本でアニメーション映画化されました。

戦争下で懸命に生き、最後に餓死してしまう兄弟の壮絶な運命を描いています。

『火垂るの墓』あらすじ

物語は昭和20年、戦争孤児の清太が駅の構内で死ぬところから始まります

死の間際、清太は妹の節子のことを思い出す

エマ
昭和20年夏、アメリカ軍による日本への空撃は激しさを増していました。

神戸市内に住む清太は空襲警報を聞くと、心臓の弱い母を防空壕へ避難させ、幼い妹の節子と共に海岸へと逃げました。

しかしこの空撃で市内は焼け野原となり、母は大怪我を負ったのち亡くなります。
まだ幼い節子に、清太は母の死を告げることができません。

翌日から、清太と節子は西宮の親戚に世話になることになります。
清太は庭に埋めていた保存食をおばさんに渡したけれど、節子の好きなドロップだけはこっそり抜いておきました。

母の死をおばさんに明かしたが…

初めは母の死を隠していた清太でしたが、おばさんに事実を打ち明けます。

夜、2人は池に蛍を見に行きました。
清太が節子にドロップを舐めさせてあげると、節子は喜んで走り回りました。

母が死んだことを知ったおばさんは、居候の2人に苛立ち始める

次第に強く当たるようになりましたが、2人はその仕打ちにただ耐えるしかありませんでした。

しかし、おばさんが母の遺品である着物を米に変えると聞いたとき、ついに節子は泣きながら抵抗しました。

白いごはんにありつけて上機嫌な一家でしたが、節子が不満を漏らしたことからおばさんは「文句があるならごはんを別々にしよう」と2人に自炊を言い渡します。

清太は母の貯金をおろし自炊を始めますが、それでもおばさんの態度は変わらないので節子と共に家を出ようと考えるのでした。

清太は古い防空壕を利用して2人で住もうと節子に提案する

おばさんに嫌気がさしていた節子は自分たちの家ができることをとても喜びました。

防空壕を住処とした2人

夜になると清太は防空壕にたくさんの蛍を放って明かりを灯しました。
その光を眺めながら、戦争に行った父に思いを馳せます……。

翌朝、節子は死んだ蛍のお墓を作り「お母ちゃんもお墓に入ってんねんやろ」とつぶやきます。
節子は母が死んたことを察していたのです。

食料が底をつきて…ついに

2人は最初こそは楽しく過ごしていましたが、すぐに食料は尽きてしまいます。
生き延びるために清太は盗みを働くように。

でもついに捕まり、ひどい暴行を受けます。
警察の助けでなんとか解放された清太は、無邪気に笑う節子を見てこの子だけは食べさせていかなければと決意を固めるのでした。

そんな清太の思いとは裏腹に節子はますます衰弱していきます。
栄養失調を起こした節子のために再び銀行に貯金を下ろしに行った清太は、そこで日本軍が敗退し父が死んだことを知ります。

唯一の希望を失い落胆する清太でしたが、節子にたくさんの食べ物を買って防空壕へと戻りました。

エマ
スイカを食べさせてやると、節子は「おいしい」「兄ちゃん、おおきに」と言って静かに息を引き取りました――。

たった独りになった清太。
節子の亡骸を火葬し、お骨と一緒にドロップ缶に納めました。

そして、清太も節子の元へ旅立っていったのです。

『火垂るの墓』の意味ってなあに?

https://twitter.com/nakamanian/status/1136896344029687808

毎年夏になるとテレビで放送される本作。

戦争経験のない世代が増えているなかで、戦争の惨劇を風化させない映像作品として多くの人々に親しまれています。

中には「反戦映画だ」との意見もあるようですが、ストーリーの中枢はほかにあるのでしょう。

なぜ「火垂る」の漢字があてられているの?

「ほたる」と聞いて、あなたが思い浮かべる漢字は、きっと「蛍」ですよね。
でも本作のタイトルは「火垂る」と表記します。

『火垂るの墓』は、節子が作中で死んでしまった蛍の墓を作っていたところからきていると考えて間違いないでしょう。
しかし、それならば「蛍」と表記してもいいはずです。

なぜ、「火垂る」なのか?

この漢字は読んで字のごとく「火が垂れる」という意味です。

1、空襲の様子を表している

作中で火が垂れるというと思い浮かべる情景はただ一つ。
空襲です。

神戸市に落とされた焼夷弾は約3000トン。
東京大空襲で落とされた焼夷弾約2000トンよりも多いとされています。

現代を生きる我々にはとうてい計り知れない恐怖を感じていたことでしょう――。
そんな空襲の様子を、「火垂る」という字を用いて表現しているのかもしれませんね。

2、清太と節子の命の灯を表している

作中で2人は蛍を防空壕に放ち、束の間の安心を得ます。
そんな中で清太は戦争へ行った父を思い出しているのです。

儚く消えゆく蛍の光に、死と隣り合わせの父の姿を重ねているのでしょう。

儚い命。
それは2人も同じです。

エマ
14歳と4歳の幼い兄弟が、身寄りもなく2人だけで生きていく……。
いつ消えてしまうかわからない小さな命を蛍の光に例えたのかもしれません。

すると「火垂る」という字のほうが、より「儚く散っていく」というイメージに近いように思いますね。

『火垂るの墓』Twitter口コミ

https://twitter.com/bL8oOOWwtPfxvQA/status/1507649118843277314
https://twitter.com/MotiNoshi/status/1508590857972113410

まとめ

非常に悲しい作品ではありますが、清太や節子のように餓死してしまった人。
清太の母のように空襲で亡くなった人。
父のように兵士として殉職した人。

多くの犠牲を払った戦争を決して風化させてはなりません。

『火垂るの墓』で戦争のすべてを知ることはできませんが、日本が掲げる「平和主義」の重みを今一度考えるきっかけになるでしょう。

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