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『千と千尋の神隠し』元の世界に帰るとき、なぜ振り返ってはいけないのか?

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「振り向いてはいけないよ」、千尋が元の世界に戻るときにハクがかけた言葉です。

なぜ振り向いてはいけないのか、疑問に思いませんでしたか?
今回は、その辺を探っていきましょう。
目次

振り返ると元の世界に帰れなくなってしまう?

千尋が迷い込んだ世界では、名前が奪われると帰り道がわからなくなってしまいます
アイデンティティーを失い、自分は何者でどこからやってきたのかを思い出せなくなるからです。

本来千尋の居場所は人間界

でも引っ越しがきっかけで行き場を無くし、これからの生活に不安を抱えていたのでしょう。

そんなとき、ハクのいる世界に迷い込んでしまいました。

名前を奪われた千尋は『自分は何者なのか、進むべき道はなんなのか』油屋で働きながら答えを探すことになります。

エマ
最終的に湯婆婆の試験に打ち勝って自身を取り戻した千尋。

このとき彼女の心は完全に人間界に戻っていたのでしょうか?

ハクは「千になりかけていた」という千尋に本当の名前を思い出させ、忘れないように念を押していました。

そのこともあって、千尋は油屋では皆に『千』としてではなく『千尋』として接しています。

別れる寸前も『千尋』の心はずっと自分を助けてくれたハクの中にあった

しかし、もう自分の道を見つけた千尋はハクのいる世界に未練を残してはいけません。

振り返るということは、この世界に未練があることと同義なのですね。
ハクを思う気持ちをここで断ち切らなければ、きっとまた行き先を見失ってしまうのでしょう。

千尋が無事に元の世界に帰れるように、ハクは「振り向いてはいけないよ」と言って千尋を見送るのでした。

だるまの石像になってしまう?

異世界へ続くトンネルの前に、だるまのような石像がありましたね(以下だるま像)。

あれは元々千尋のように迷い込んでしまった人間で、帰る際に振り向いてしまったため石像の姿になってしまったという都市伝説があります。

なぜそのような噂が広まったのでしょうか?

日本に古くからある遊びのひとつ『だるまさんがころんだ』

鬼が「だるまさんがころんだ」と言い終わって後ろを振り向いたときに動いた人が負け、という遊びですね。

振り向いたときに動かない=だるま、ということから、振り向いたら動かなくなる=だるまになってしまう、という発想なったのでしょう。

なぜあのだるま像がトンネルの外にあったのかが疑問です。
トンネルの外が人間界ならば、あそこで振り返ってもだるま像にはならないはずです。

ということは……トンネルの前はすでに異世界だったのでは?

石像とトンネルの変化

実はあの石像、千尋たち一家がトンネルに入る前はだるまの顔をしていましたが、戻ってきたときにはのっぺらぼうのただの石柱になっているのです。

それだけではなく、モルタル製だったトンネルも石造りに変わっています。

また、千尋のお父さんが車で森の中を爆走する途中も似たようなだるま像がありますし、無数の石の祠と鳥居も見られます。

鳥居は人間の世界と神様の世界を区切る境界ようなもの

鳥居

これは他にだるまになった人がいること、鳥居から先は神様がいる世界であることを示唆しているのではないでしょうか?

鳥居をくぐったときから千尋たちは異世界に迷い込んでしまっていたのです。

戻ってきたときにはだるま像やトンネルの見た目が変わっていたのは、千尋が魔法を解いたからです。

豚になった両親が元の姿に戻ったように、石像もトンネルも本来の姿に戻った

ただ、「元の姿に戻るのであればだるま像は人間の姿になるのでは?」という疑問が生まれますね。

よって、振り向いたらだるま像になるという説は個人的にはナイのかなと思います。

人ならざるものがついてきてしまう

墓

お墓参りの帰りに振り向いてはいけないという迷信を聞いたことはないでしょうか?
亡くなった人は基本的には1人きりで眠っています。

誰かがお参りに来ると喜び、また来てくれることを願っています。
帰り際、名残惜しそうに振り向いてくれると、嬉しくなってついてきてしまうそうです。

エマ
本当にいなくてはならない場所に帰れなくなってしまうのは、死者にとってもいいことではないでしょう。

千尋が迷い込んだ世界は、八百万の神々が住む『あの世』に近い場所

あの世界で千尋が出会った人(?)たちの中でついてきてしまいそうな者といえば……そう、カオナシですね。

 

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彼は銭婆の家という新しい場所を見つけていますが、千尋が未練がましいことをすればきっと人間界にまでついてきてしまうでしょう。

付きまとわれる千尋には何かしらの災いが起きそうですし、カオナシにとってもよくないことです。

せっかく手に入れた居場所を無くして、また宛てのない自分探しの迷路に迷い込んでしまうことになりかねません。

もう一人ついてくる人物がいるとしたらハクでしょうが、彼は川の神様としての名前を思い出したので元居た世界へ戻ることができます。

千尋のためにもついてくるということはなさそうですね。

3人とも進むべき道が決まった立場にある

トンネル

それぞれの世界で生きるという意味でも、千尋は振り返ることをせずにトンネルを抜けなければならなかったのです。

一見切ない別れのシーンに見えますが、「振り向いてはいけないよ」というハクのセリフには、これからの未来を期待する前向きなメッセージが込められているのですね。

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