恐らく何度も特集を組まれているであろうスターバックス。
これ以上何に焦点をあてるのだろうと・・・と番組を見始めました。
身近にある、知り尽くしていると思っていたスタバですが、初めて知るたくさんの事業展開・思想がそこにはありました。
全国の新たなランドマーク 地域の特別なスタバ
スタバが大切にしている事の一つが「人とのつながりを提供する」ことです。
その究極バージョンが地域の人にとって特別な存在であるようなスターバックス、というお店作り。
- 鹿児島では登録有形文化財の島津家ゆかりの建物を改装し、出店
- 福岡では、太宰府天満宮の参道に出店
こうしたリージョナルランドマークストアは現在全国に18店舗もあるそうです。
中でも代表的なのが、京都二寧坂にある店舗
いま話題のスターバックスコーヒー 京都二寧坂ヤサカ茶屋店☕️
①渋い看板はわかりにくい😝
②世界中で暖簾があるスタバはここだけ
③床の間付きの座布団席
④チャイラテと明後日向いている期間限定抹茶ラテ🍵※みんなGoogle map見ながらあっち行ったりこっち行ったり、なかなかわかりにくい佇まい😘 pic.twitter.com/9ATrc6I1TL
— ブルー (@oTihr9H59tmcdfY) June 28, 2021
世界初&世界唯一、のれんと座敷があるスタバとして4年前にOPENしました。
景観保全に取り組む地域の人とは幾度もディスカッションし、出店までには10年もの歳月がかかったそうです。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]そのスタバの目の前に日本人形店を構える当時の会長は、[move]「地域を維持保存しながら未来に向けてどうあるべきかを考えて欲しい、売れるなら何でも!という売り方はやめてほしい」[/move]といった考えをスタバに訴え続けたそうです。[/moveline]
地域の人々の願いに応えるため、現存の建物を徹底的に残す店に
例えば、剥き出しになった屋根裏の梁はそのままに。
スズメバチの巣もあえてオブジェとして残し、当時住んでいた人のいぶきを消すことなく店舗を完成させました。
スタバの圧倒的人気と、日本・京都らしさを兼ね備えたこのお店。
市の担当者は、「地域のまちづくりを支えているプレイヤーの一人にスタバはなっている。」と話します。
ネットニュースやインスタグラムで、私もこのような地域に特化したお店を見る機会があり、強烈に心惹かれるものがあります。
そのスタバを目的に、観光へ行ってみようと思うる利用者は多いでしょうし、観光客だけではなく、その土地に住む近所の人にとっても誇り高きスポットになっていると思いました。
現在のスタバを導く水口社長とは
- 1989年上智大学卒業
- イタリアボッコーニ大学に留学し MBA を取得
- 帰国して実家が経営する靴の製造卸会社へ入社
入社して、数10億円もの借金があることを知ったそうです。
父親がワンマンの経営者だったので、社員が意見を言うのは難しい環境でした。
息子である、水口社長は資金繰りに奔走する毎日に明け暮れ、さらにコストカットのためリストラを言い渡す役満な役目も負わされました。
500人いた従業員を200人にまで縮小しましたが、業績は上向かず、会社は従業員ごと他の企業に引き渡すことになったそうです。
職を失った水口社長は…
34歳のとき世界有数のブランド「ルイヴィトンジャパン」に採用されブランドビジネスの真髄を学んでいきます。
その後、スペイン高級ブランド「ロエベジャパン」では CEO に就任。
そんなある時、水口社長に運命を変える出会いがありました。
スタバの元CEO ハワードシュルツさんが記した、スターバックスの経営理念に関する本です。
スタバとは、人が中心にいて人を大切にしている会社だと知りました。
水口社長は、家業での体験を通して「それはまさにそうありたいと求めていた会社だった」、と話します。
2014年にスターバックスコーヒージャパンに入り、2年後にはCEOに。
以来ずっと人が主役となる店作りを進めています。
社員に対しても、番組MCと話している時も、想いをカメラに向かって話している時も、水口社長は穏やかに、笑顔を絶やさずにいます。
大企業のトップがこんなにも穏やかな方だなんて…!。
人として何とも言えぬ余裕があり、楽しそうで、人のことを絶えず考える社長だからこその、このスタバなのか、と大変納得です。
パートナーとのあり方
スタバで働く従業員は「パートナー」と呼ばれています。
社内でも、お客様にとってもパートナーでありたい、といった意味が込められているそうです。
アルバイトを含めた店舗のパートナーは4ヶ月に1度店長との面談が行われます。
そこでの話題は、
- この会社でどんな自分を目指すのか
- そのために会社がどんなサポートをしてあげられるのか…
といった事だそうです。
パートナーという言葉のチョイスに納得です。
お金を稼ぐため、それだけに行われる労働は様々な意味で限界があると思います。
人に寄り添い続けるスタバ
日本で唯一聴覚障害者が中心となって運営するスタバ
場所は、東京国立駅を出てすぐのところ。
国内のスタバには障害のあるパートナーが368人、そのうち聴覚障害者は63人在籍しているそうです。
接客は手話が基本で、お客にわかるようボードも置いてあります。
さらにキッチンにも独自に開発したシステムを導入しました。
通常の店ではコーヒーが出来上がるとタイマーが音で知らせますが、ここでは振動で伝えるデジタルウォッチを使っているそうです。
なぜこのような店舗を構えたのか?
水口社長は、聴覚障害のパートナーたちと一年に一回座談会を開いているそうです。
3つのグループに分かれて将来やりたいことを発表してもらうと、3グループとも「自分達だけで店をやりたい」といった答えが出てきたのです。
その思いをくみ取り、鎌倉のお店で関東の聴覚障害のパートナーを集めて3時間だけオペレーションを行いました。
終わった時に「どうだった?」と聞くと、「今日の第一言語は手話だった、最高に楽しかった」という答えが返ってきたそうです。
そんなパートナーたちの想いに答えて、新店を立ち上げたのです。
なんだか目頭が熱くなるエピソードでした。
自分の当たり前が、ほかの人にとっての当たり前ではない事。
わかってはいるつもりでしたが、そういった事を生活に取り入れるまでかみ砕いてなかったように思います。
優しい世界の入口として、このスタバが流行るといいなぁと強く思いました。
さいごに
編集後記で村上さんは「闇のない企業」と題します。
誰かの為に動くその一歩をスタバの全社員が踏み出しているからこそ、もたらされるカラーなのでしょう。
そしてそのカラーに惹かれ、共感したファンがたくさんいるスタバ。
これからも私たちの生活のよりどころになる大切な場所であり続けて頂きたいなと思いました。
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