今回の特集の半分の尺で紹介されていたのが、新発売された「生ジョッキ缶」。
SNS等で、わたしもよく目にしていたのでその実態を知れる興味深い放送でした。
とはいっても、わたしはあまり…いやほとんどお酒を飲みません。
最初の一口だけもらいたいタイプです。
美味しいな、飲みたいなーとは思うものの、アルコールに弱い体質なのです(>_<)
そこで最初にお伝えしておきたいことは、今回のカンブリア宮殿での村上さんの編集後記は、??。
飲めない人・飲めるけど飲まない人にとって少し首をかしげてしまうのではないかな、という印象でした(とらえ方は人それぞれですので、否定するわけではないです!あくまでもわたし個人印象として(;’∀’))。
知られざるアサヒビールのちょっぴり残念な歴史
飲食店どこでもアサヒビールは扱っているため、このような歴史があった事をわたしは知りませんでした。
実はアサヒビール、昭和の時代は業界万年3位で、“夕日ビール”と揶揄されたそう。
それを跳ね返しメガヒットとなったのが、1987年のスーパードライ。
当時の流行であった「苦み」よりも「辛口」をウリにしたのです。
アサヒのファンは、キレがある、こののど越しが他と違う、と話していました。
そうして1988年、アサヒはキリンを抜き、ビール業界売上トップに踊りでました。
しかし、天下はずっとは続かなかったのです。

そんな状況を脱するために、開発されたのがあの新商品です。
新商品「生ジョッキ缶」
くそったれの世の中に乾杯🍻#みんな飲んでるかい🍻#みんなで乾杯しよう#アサヒ#生ジョッキ缶#スーパードライ生ジョッキ缶 pic.twitter.com/PEMCzgmOVK
— クッキング父ちゃん(食べ歩き食レポブロガー)全ての食材と料理人に感謝‼️味覚は人それぞれなんだよ… (@kukking10chansp) April 24, 2021
飲み口を大きく開けることができ、泡が発生します。
そして居酒屋で出されたような生ビールの美味しさをごくごくと味わうことができる新しいタイプの商品です。
中身は通常のものと同じそうですが、缶が違うのです。
本来缶ビールは泡を立てないのがクオリティとしては◎。
しかし、真逆の発想で、泡をたてる缶の開発をされました。
開発4年、40回もの施策を繰り返し完成させたそうです。
その秘密は、缶の内側に特殊な塗料を焼き付け細かい凹凸をつくるというもの。
通常の缶では泡は湧き上がってこないのですが、生ジョッキ缶では、蓋をあけたときに発生する泡が凹凸に引っかかり、それがより多くの泡を起こします。
ちなみに、グラスに注いでも泡はできるものの、キメ細かな泡にするには缶のまま飲むことががおすすめという事でした。
販売一時停止!?
面白さやワクワク感というものがないと若い人が今ビールに手を出さない。
この新商品が入口となって普通のビールも手に取ってみてほしい、と社運をかけて発売された新商品ですが、早くも販売一時停止となりました。
先行販売されたコンビニでは、発売してすぐに品切れとなり、ネットでは「どこになら売っているのか」「10件回ってもない」と大きな話題に。
そして全国発売日、スーパーには大量に陳列されたのですが、コンビニと同様に驚くべき勢いで無くなりました!
そして販売からたった1日で販売休止となり、ニュース等で話題になったのです。
急遽アサヒビール本社に取材へいった番組スタッフは塩沢社長にこのような質問をしました。
- 一時休止で相当話題になったが、これは初めから考えていた戦力か?
- 社運を懸けた…といっていたのに見通しが甘かったのではないか?
塩沢社長はこう、答えます。
想像以上で、ここまでの反響になるとは予測できなかった。
決して戦略ではない。
また我々には、供給責任があるからそれを全うするために最善をつくしたい。
取材班、なかなか攻めた質問をするな…と思ってしまいました。
コロナの影響でおうち時間の質をあげようとする私たちの意識と、SNSでの拡散により、これまでの想定とは違った結果がでているのかもしれませんね。
菅田将暉さんらが出演する新CMは放送延期となりました。
6月以降に再販売予定で、CM解禁となるようです。
次はわたしもぜひGETして、最初の一口を味わいたいなと思います。
飲食店とは運命共同体
アサヒビールでは、変わった営業を行っています。
① 新しい従業員にビール洗浄等を徹底指導
- 水通し洗浄の方法を徹底→正しい方法でこまめに行うことを伝授
- グラスの取り扱い→洗ったあとは拭かない。ふきん等の繊維がグラスに付着すると味が落ちるため
実際に、指導した店舗ではビールが美味しいと売上が1割増えたそうです。
1杯が2杯3杯につながれば飲食店にとってもメリットになると営業担当は話します。
② 手厚いサポート
- テイクアウトに力を入れたい店舗へテイクアウト用の容器のサンプルを用意→市販ではなかなかしっくりこない等の店主の声を聞き、アサヒと取引のあるメーカのサンプルを取り寄せ紹介するのです。
- ビールメーカーの枠を超えたサポート→コロナの影響で様々な給付金がありますが、その複雑な申請方法をまとめアドバイスしているのです。
もともと行っていた事もあるが、コロナになってからより力をいれたそうです。
アサヒが厳しい状況にあった際に、飲食店に助けられたことが多くあったそうです。
ですので、飲食店とは運命共同体というワケです。
やはりその世界である程度の位置をキープするためには、本来の仕事プラスαがないと難しいのだな、と思います。
そして自己利益の追求だけではなく、関わるものや人の未来を供給できる企業こそが存続していけるかも。
アサヒビールの挑戦
ビール類を飲む世代の6割が50代以上で、20代の購入割合はわずか3割弱。
このままではビール業界の将来がないと、立ち上げられたのが女子ビール部です。
女子ビール部の挑戦
アサヒビールで開発担当をしていた女子社員たちによって立ち上げられ、新たな飲み方を試し、商品化につなげようとしています。
実際に、凍った果実ビールにいれて苦みを減らすといった新メニューが直営店で販売されています。
社内には、ビールに混ぜ物をすることに反対の声もあるそうです。
ですが、飲みやすさ・見栄えを追求し、あまり飲まない層を取り込もうと努力されています。
2021年春、飲まない人向けの新商品「ビアリー」が発売
完全なノンアルコールではなく、0.5パーセントの度数です。
一旦ビールを作り、そこから企業秘密の工程でアルコールを抜くので、本来のビールの味を損なわないとのこと。
この商品知らなかったので、すごく気になります!



今を反映する商品を模索する女子ビール部の皆さんの活躍を期待しています。
村上さんの編集後記
『若者はビールを飲まなくなったらしい
ビールを飲みたいという気分にならなくなったのではないだろうか
そもそもビールの世界に入ってきてくれないと塩沢社長は言っていた
ビールの世界とは何か
楽しいということではないか
希望があるということだと思う
今の若い人の少なくない層が希望がない世界を生きている
塩沢社長と対していてビール好き同士が向かい合っているなと思った
希望があった時代を知っている世代だ
希望があった時代 村上龍』 (放送をそのまま引用しています)



今の時代を生きる若者は希望がない=ビールを飲まない
これってイコールなのでしょうか?
もちろん村上さんの考えも理解はできます。
確かに昔と比較すると、ビールで酔い、上司や同僚と野望を熱く語り合う!…といった光景は少なくなり、昭和を生きた熱い人々にとってみたら冷めた世界に感じるのかもしれません。
ただ、多様性の時代。
希望を持った人が、飲みたいもの、やりたいことも様々。
好きなものを飲んで、苦手なものを飲まなくていい時代になったのではないでしょうか。
違った方法や、場所で野望を語る時代に変化したのではないでしょうか。
けれど、昔と変わらず世代を超えて、アサヒビールで乾杯できたら素敵だなー。


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