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映画『鉄塔武蔵野線』あらすじと感想を書いてみました!

鉄塔武蔵野線

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小学校生活最後の夏休みに少年が未知の世界へと踏み出していく、そんなみずみずしい感性で描かれたジュヴナイル映画をご存じでしょうか。

『鉄塔武蔵野線』は1997年の6月28日、バップの配給によって劇場公開されました。

目次

『鉄塔武蔵野線』の監督は?

メガホンを取ったのはハードボイルドから家族劇までを手掛けている長尾直樹監督、CMディレクターや脚本家としても活躍中です。
ギターリストの少女とアメリカ人大富豪が近未来の大都会をさ迷う「東京の休日」や、父と娘が愛する人母の喪失を乗り越えていく「アルゼンチンババア」などが有名ですね。

『鉄塔武蔵野線』の原作は?

原作は銀林みのるさんによる第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作、1994年に刊行されています。
送電線路をさかのぼって1基ずつ鉄塔をたどっていくと、やがてはたどり着くという最終地点とは?

『鉄塔武蔵野線』あらすじ

8月も後半のある日

本作品の主人公となるのは環美晴、都内の小学校に通っている6年生の男の子でただいま長い夏休みを存分に満喫中です。

8月も後半へと差し掛かってきてカレンダーに残された日数が少なくなってくると、ちょっぴり寂しく感じてしまいますよね。

放ったらかしにしていてなるべく考えないようにしている机の上の宿題、2学期から始まるレベルアップした授業、更にはその先に待ち構えている卒業… 。

普段は能天気な美晴も時おり浮かない様子で、何故ならば父親の晴男と母・真名子の関係が不和の末にまもなく離婚する予定。

美晴は転校することになっていた

母方の実家がある長崎県へ引き取られることが決まった美晴は、9月からは転校生として新しい学校に通わなければなりません。

引っ越しまでの日は言うなれば猶予された最後の楽しい期間、仲のよい同級生や近所のお友だちと目いっぱい遊び回っていました。

彼らも家族旅行やら避暑やらでひとりまたひとりと地元を離れていってしまい、いよいよ周りがひっそりとしていきます。

自宅前の道路でひとりでサッカーボールを蹴とばしていた美晴、取りあえずは市営グラウンドにでも行ってみて誰か探してみることに。

時刻は午後3時頃、街は静まり返っていた

空から照り付けてくるのは真夏の太陽、聞こえてくるのはセミの鳴き声くらいで表通りには人っ子ひとり見当たりません。

時刻は午後の3時くらいで街全体がお昼寝をしているような中、美晴がピタリと足を止めて上空を見上げるシーンが秀逸でした。

視界に現れた送電用鉄塔

不思議な魅力を漂わせながら視界に現れたのは、変電所の敷地内にひっそりとそびえ立つ送電用鉄塔です。

一般的な鉄塔といえば電線をつなぐ腕金が3段で左右対称、この鉄塔は右と左がバラバラに付いていて6段構えと明らかに異形。

好奇心でいっぱいなお年頃の男子からすると手足がごちゃごちゃとしたロボット、あるいは珍しい昆虫でも発見したような気持ちになってしまったのでしょう。

1号鉄塔に行き着くのでは!?

すっかりこの鉄塔に魅せられた美晴、高い柵で囲まれている足元に「武蔵野線75-1」という金属製の板に気が付きました

74号、73号、72号… これらの表示を追いかけていけばやがては1号鉄塔に行き着くのではという閃きに、美晴の胸の内のドキドキは高まっていきます。

『鉄塔武蔵野線』キャスト

主役の美晴に抜擢されているのは伊藤淳史さん。
今でこそドラマやバラエティー番組で有名ですが当時はまだ芸能界デビューしたばかりの子役でした。

映画初主演となった本作の撮影時には若干10歳、まさに等身大の小学生として初々しい演技を披露してくれていますよ。

美晴の旅の相棒、磨珠枝アキラ役には内山眞人さんをキャスティング。
数年後には立派に成長して「仮面ライダー」シリーズでブレイクするだけあって、あどけない表情は貴重です。

美晴の父・ 環晴男には名バイプレーヤーの菅原大吉さん、母・真名子には実力派女優の麻生祐未さん。
自由で想像力豊かな子どもたちと、常識にとらわれてお疲れ気味な大人たちとのコントラストを見事に体現していました。

『鉄塔武蔵野線』まとめ

永遠に続くかと思われていた少年時代もやがては青年時代へと突入、いつまでも変わらないと信じていた友情にも訪れるあっけない幕切れ。

大冒険の果てに手に入れた宝物と引き換えに、美晴はこれまで大切にしてきたものを手離さなければなりません。
大人になることの切なさを噛みしめつつ、幼い頃に見た風景が鮮やかに甦ってくる作品です。

いま現在青春まっただ中な若い世代はもちろん、かつては少年少女だった皆さんも是非ともご覧になってください。

鉄塔武蔵野線

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