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『灰色の服を着た男』あらすじと感想

灰色の服を着た男

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順風満帆な人生を送ってきた男が突如として究極の二者択一を迫られる、そんなヒューマン・ドラマをご存知でしょうか。

目次

映画『灰色の服を着た男』概要

1956年にアメリカで製作、日本では同年の7月20日に20世紀フォックスの配給で劇場公開されました。

ごく普通の専業主婦が多重人格者へと豹変する『イブの三つの顔 』や、神父とナイトクラブ歌手の恋を情熱的に描く『夜と昼の間』など、メガホンを取ったのは本格サスペンスからロマンスものまでを手掛けてきた、ナナリー・ジョンソン監督

スローン・ウィルソンが1955年に発表して全米ベストセラーに選ばれた、同名の長編小説を原作にしています。

『灰色の服を着た男』あらすじ

物語のオープニングは第2次世界大戦が終結してから7年後の1953年、ようやくアメリカ東海岸にも平和と安定のきざしが訪れた頃です。

軍隊の制服といえば黒と緑のミリタリーカラーが一般的、タイトルにある『灰色の服』とはそんな軍服に対する一般市民の服のこと。

主人公トム・ラースは激戦地のイタリア半島から復員してきたばかり

まさに装いを新たに平和な時代を切り開いていく世代と言えるでしょう。

トム役を演じている往年の名俳優グレゴリー・ペックが身に付けている、フランネルのスーツの色はもちろん淡いグレイですよ。

トムの住まいはコネティカット州グリーントリーアベニュー、郊外の閑静な住宅街で人口は1万人ほど。

妻は心優しく美しいベッツィー、彼女とのあいだに授かったのは6歳のバーバラを筆頭にジェニー、ピート。

週末には可愛らしい3人の子どもたちと一緒に遊んであげたり、芝刈りや大工仕事に汗を流したりと典型的なマイホームパパですね。

トムの仕事

そんなトムも月曜日の朝早くには、例の灰色のスーツを羽織って、グランドセントラル駅へと向かいます。

プラットホームの群衆に埋もれていき、吊り革に捕まって満員列車に揺られている鬱屈とした表情は休日とはまるで別人!

エマ

毎日の行き帰りのうちに、少しずつその横顔から生気が失われているのを見逃さないでください。

トムの勤め先はニューヨークの大手テレビ局、ユナイテッド放送会社

パブリック・リレーション部という花形の部署で、36歳という年齢を考えるとエリートコースに乗っているのは間違いないでしょう。

当然ながらこの業界は連日連夜の激務で、帰宅は日付けが変わるころになってしまいます。

すっかりお疲れモードな夫のためにベッツィーが用意してくれているのは、ジューシーなビフテキに焼き立てのアップルパイ。

常日頃から体調管理には気をつけているようで、フレッシュで彩り豊かな野菜サラダも忘れていません。
腕によりをかけた手作りのメニューの数多くは、画面いっぱいに美味しさが伝わってきます。

そんなベッツィーといえばファッションやブランド品に興味がなく、高収入やセレブリティな暮らしも望んでいないようです。

ベッツィーのただ2つの願い

  1. トムが心から好きになれる仕事を見つけること
  2. 世のため人のために働ける職場を見つけること
エマ

時代とお国柄は違えども、ブラック企業や過労死が問題となっている今の日本にも同じことが言えるのかもしれませんね。

愛妻家でもあり子煩悩なトムの、もうひとつの顔が見え隠れしてくる後半の展開はかなり衝撃的ですよ。

さらには良妻賢母の見本のようだったベッツィーも、決して打ち明けられない秘密を抱えていて… 。

家庭と外でふたつの顔を使い分けていた夫、家庭に縛られつつも心の中にもうひとりの自分を隠していた妻。

うわべだけのおしどり夫婦を続けてきたふたりが、ありのままの姿をさらけ出して心の底から本音をぶつけ合えるのかは見ものです。

まとめ

戦争によって破壊された街、傷ついた人々の心、引き裂かれてしまった恋人たちの絆。
この映画の根底に流れているのは静かな平和への祈り、膨大な時間をかけてでもを目指すという力強いメッセージです。

半世紀以上前の作品だけど国際情勢が緊迫化している現代においては、まさにタイムリーな話題を扱っていました。

エマ

かつて『ローマの休日』でグレゴリー・ペックに魅せられたオールドファンの方たちはもちろん、10代20代の若い皆さんも是非ともご覧になって下さい✨

灰色の服を着た男

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