ハクは湯婆婆の弟子となって魔法の力を身に着けるために、湯婆婆の弟子になっていますね。
そもそも、なぜハクは魔法を使えるようになりたかったのでしょうか?
また、師匠として湯婆婆を選んだ理由についても考えてみたいと思います。
ハクの本当の姿は?
ハクは湯婆婆に仕える魔法使いです。
散々コキ使われているようですが、その実力は湯婆婆の元にある魔女の契約印を盗むという使命を与えられるほど、優秀であることがうかがえます。
ハクは元々川の神様です。
千尋の迷い込んだ世界には多くの神様がいますが、皆その姿はひよこだったり仮面をかぶっていたりとおよそ人の形はしていません。
ハクの本来の姿って人間?それとも竜?
ハクはというとぱっと見た感じは人間の美少年であり、なにか外に用事があるときはハク竜に姿を変えます。
これはハクの本当の姿なのか、それとも魔法でそのような姿で化けているのか作中では語られていません。
ハクが竜の姿になれることを知っている人物は、少なくとも6人いる
銭婆
千尋を迎えに来たハクに「ハク竜、あなたのしたことはもうとがめません」と言っていますが、ハクが人間の姿になれるということを知っているのであれば「ハク竜」と呼ぶのは不自然ではないでしょうか?
それだけではなく、銭婆は湯婆婆の部屋で千尋と対峙したときも一貫してハクを竜と呼んでいます。
ハクが湯婆婆の手下であることや魔法使いになろうとしていたことまで知っているとなると、人間の姿になることを知らないというのも考えにくいでしょう。
銭婆はハクのことを「人」ではなく「竜」として見ているということですね。
釜爺
彼は何年も前から油屋で働いているような言動が目立ちます。
ハクについても「千と同じように突然ここにやってきてな。魔法使いになりたいと言いおってな」と語っており、ハクが現れた日のことをよく覚えているようです。
また、天井かた落ちてきた竜に化けることができることは知っていたのでしょう。
この2人の言動や態度から読み取れることは、ハク竜の姿はとりわけ特別な姿ではないということです。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″][move]川の神様としての元々の姿はハク竜だったのではないか[/move]とも考察できるわけですね。[/moveline]
力を失ったので人間の姿になった?
ハクは川の神様でしたが、琥珀側は埋められてしまったのでおそらく神として生きているわけではないのでしょう。
すると、一つの疑問が生まれます。
川の神様としての元々の姿がハク竜なのだとすると、力を失ったハクは竜にはなれないはずです。
ハク竜に化けることができるのは、魔法の力があるから
なんとなく話が見えてきませんか……?
ハクが湯婆婆の弟子になったのは魔法使いになりたかったからです。
魔法の力を手にいれるためには魔法使いに弟子入りしなければなりません。
ハクは、油屋の経営者で強大な力を持つ湯婆婆に弟子入りすれば力のある魔法使いになれると考えたのですね。
なぜ、強い魔法の力を手にしたいと思っていたのか?
それは「ニギハヤミコハクヌシ」だったころの神の力と同等の力を得るためです。
力も行き場も失ったハクは、なんとかして昔の自分を取り戻そうと思ったのですね。
我々人間も同じです。
過去に輝かしい栄光を築いた人が地に落ちてまた新しいことを一からやり直そうと切り替えるのは難しいことです。
昔のようになりたいともがくのは自然なことでしょう。
ハクはまさにその事態に直面していました。
自分を取り戻すためには、魔法の力に頼る他なかったということですね。
銭婆への弟子入りは断られた?
ハクはもしかしたら、湯婆婆の弟子になる前、銭婆にも弟子入りを申し込んでいたのではないでしょうか?
銭婆は作中では湯婆婆以上に恐れられているほどの魔女ですから、力も大きいものだと思われます。
しかし「魔法の力を手にいれようとして妹の弟子になるなんてね。この若者は欲深の妹の言いなりだ」と言っていたようにハクの行動には否定的です。
くわえて銭婆は「お前を助けてあげたいけど私にはどうすることもできないよ、この世界の決まりだからね」「一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで」「その子をしっかり守るんだよ」などと意味深な発言をしています。
これらの言葉から推測できるのは、銭婆はハクが琥珀川の神様であること、千尋が琥珀川と関わりがあったことを知っていた、ということです。
神であるハクが魔法の力で誤った道に進まないよう、銭婆は弟子入りの申し出を断ったのではないかと考えられます。
名前を取り戻したことによって解放された
ハクは千尋に名前を思い出させてもらったことで、湯婆婆の契約から解放されました。
すると、元の川の神様として生きていくことができるのでしょうか?
いいえ、そうではありません。
琥珀川は埋められてしまい、ハクを信仰している人はもういないと言ってもいいので、ハクはもう神ならざる者なのです。
ハクは過去の神である自分に強くこだわっていたのでしょう。
そして湯婆婆の弟子になり力を手にいれようとしましたが、名前を奪われてことでそれすらも見失ってしまいます。
これからハクは神でも人でもない新しい自分として生き続けるのです。
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