予告から楽しみにしていた今回のテーマ。
家具や、雑貨、レストランなど、普段からIKEAにはお世話になっているため、どんな会社なのか興味がありました。
社長さんの人柄や、企業理念がとても素敵で、ますますIKEAが好きになった60分となりました!
従来の郊外型から都心型に進出したワケ
これまで IKEA は郊外の駅から離れた場所に店舗を構えていました。
モデルハウスのように商品を配置し、実際の暮らしを再現させ、購入を決めた商品を倉庫から直接自分で持ち帰る販売スタイルです。
なので、客層は主に、車を所有するファミリー層。
そんな戦略で全国に9店舗を作ってきましたが、去年新たな方向を打ち出すのです。
都心への出店
- 2020年6月に原宿
- 2020年11月に渋谷
- 2021年5月に新宿
に店舗を構えました。
進出のワケをイケアジャパン社長のヘレンさんはこう語っています。
『IKEA は郊外にあるのでこれまで都心の人には気軽に来てもらうことができませんでした。今後はそういったお客さん、特に若い人にたくさん来てもらいたいと思った』
わたしは普段、郊外にあるIKEAを利用してるけれど、先日は原宿店に行って参りました。
高校生や大学生など若い人の来店が多く、店内の雰囲気・レイアウトなども郊外の店舗とは違ったものでした。
いつも行っているイケアなのに全然違う店舗に来た感覚でとても楽しかったです。
その違いにもIKEAの思いやり=戦略があったのです。
都心型IKEAの魅力
魅力その1:スウェーデンコンビニ
1番人気は、スウェーデン生まれのシナモンロール一個100円。
この値段だからついつい試したくなってしまいます。
このように1階フロアは、日本のコンビニを基にアイテムを揃えています。
その名も「スウェーデンコンビニ」。
スイーツだけでなく、飲料もコーナーもあります。
例えば、スウェーデンの缶ビール。
コケモモを使った甘酸っぱいビールなど4種類のフレーバーがあり、どれもスウェーデンのビール会社から取り寄せているそうです。
ちなみに、日本でこのビールが買えるのはIKEAだけなんだそうです。
魅力その2:おひとりさま仕様
郊外型イケアは、主にファミリー向けの間取り。
一方都心型のIKEA にも部屋のディスプレイはありますが、とてもコンパクトです。
若者の一人暮らしを想定しており、ワンルームマンションや六畳アパートを想定してのディスプレイとなっています。
IKEA は新しい地域に進出する際、周辺の家を訪ねてどんな生活スタイルか調べるそうです。
原宿店出店の際も、都内全域、数百件の若者の家を見て参考にしたそう。
調査の結果、都心で暮らす若者の多くが、想像以上に狭いスペースで生活していると気づき、狭い空間を有効に活かせる家具を多く販売しているのです。
こういった努力があるからこそ、IKEAの商品はどれも魅力的であり、購入商品は私たちの暮らしに自然となじむのだな、と思いました。
魅力その3:オンラインでの購入
郊外型IKEAでは、欲しい商品はその場で倉庫から搬出し、持って帰ることができます。
一方、都心型IKEAでは店内に倉庫がないため、大型家具はオンラインでの購入がメインとなります。
やり方は、まず値札のQRコードをスマホで読み取ります。
すると商品の販売ページが表示されるので、そこに名前や住所、クレジットカードの番号を打ち込めば手続き完了。
後日、自宅に商品が届けられるのです。配送料は5300円。
これなら車がある・ないに関わらず購入することが可能です。
都心型出店を決めた、ある体験
2016年に日本法人の社長となったヘレンさん。
しかしこの頃は、IKEAにとって低迷期でした。
この傾向は日本だけでなく、世界中の IKEA で見られました。
原因は、手軽に購入できるネット通販の台頭でした。
エレンさんが考えたのが都心への出店
「東京には人が多いので、都心の店舗には必ず需要がある。」
そう訴え続けましたが、遠く離れたスウェーデンに日本の状態は伝わらず、なかなかGOサインは出ませんでした。
都心に店舗が必要だ!という説得の材料が足りないと思ったヘレンさんは思い切った手を打つのです。
それは、CEOを日本まで呼び寄せ、通勤ラッシュで混み合う朝の山手線へ乗車させるといったことでした。
『こんなに人がいるのか。これが東京なんだな、君の言いたかったことがやっとわかった。』と、CEOは都心型の店舗のGoサインを出しました。
日本初の都心型店舗がオープンしたのは、それから2年後
今では、世界4カ国8店舗目の都心型IKEAが出店され、ヘレンさんのアイデアが世界のIKEA を変えているそうです。
想いを訴え続け日本へ呼んだヘレンさんも、実際に体験し想いを受け止めたCEOもどちらもすごいなと思います。
社内の風通しが良くなければ出来ない事だと思うからです。
IKEAの働き方改革
IKEAでは、7年前にパートアルバイトを撤廃し、全従業員を正社員化したそうです。
全員が同じ給与体系で働ける環境となりました。
さらに移動や昇進は立候補制なんだとか。
- 自分自身の才能を発揮する機会を誰もが求めている
- 会社に貢献したいとも思っている
そうした人がどんな仕事に向くか、たった1人の上司が判断するなんてナンセンス 。
上司が各々を伸ばせると信じ、その機会を与えるのが会社である 。
とヘレンさんは話していました。
この改革で、離職率が40%減ったそう。
凝り固まった考えでない、現代に沿う企業だと思います。
さいごに
お金持ちじゃないと快適に暮らせないというのはフェアではない、という思いを持ち商品を作りだすIKEA。
POPなカラーやデザインにも関わらず、利便性やコスパが良く、暮らしになじむIKEA商品。
これからも愛用し続けたいと思います。
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