ストーリーの中盤、湯婆婆の部屋にこっそり入った千尋は、グリーンの頭だけの生き物「頭(かしら)」に攻められていました。
彼らは湯婆婆の部屋を侵入者から守っていたのでしょう。
その割にはピョンピョン跳ねたり転がったりしているだけで頼り、頼りなさそうですねww
「おい、おい、」という声と緑のグミのような動きに千尋はびっくりしていました。
そんなかしらは、銭婆に魔法をかけられ、坊の姿に。
その後、坊として可愛がっていた湯婆婆は、お菓子をあげるときちょっとした異変に気づきます。
その湯婆婆に魔法を解かれた頭は、山のようなお菓子を坊として食べ続けることが出来なくなってしまいました。
この緑の3人組、かしらの特徴は?
かしらは、それぞれ立派な髭、ギョロっとした目にツルツルの頭が特徴です。
見た目同じに見えますが、それぞれちょっとずつ髭の立派さが違いますね。
髭が長かったり、短かったりと見分けはつきにくいですが、キャラクターによってちょっとした違いがあります。
こうゆうところがジブリらしくて好きです。
別々にかしらというキャラクターかと思えば、3体まとめてかしらと呼ぶそうです。
かしらのモデルはいるの?
ウィキペディアでは、“緑の頭だけの怪物。中年男性のような容姿”としか記載されていませんでした。
でも、かしらのモデルについて信憑性のある情報が見つかりました。
江戸時代に作られた奇談集「絵本百物語」に存在する舞首だという情報です。
舞首は、神奈川県の真鶴に伝わる怨霊
この舞首についての内容は以下の通りです。
“鎌倉時代中期。
小三太、又重、悪五郎という3人の武士がいました。
この3人は、伊豆の真鶴の祭りの日に、酒の勢いで言い争いになります。
その言い争いが大きくなり、やがて刀での斬り合いになってしまいました。
怪力な悪五郎は、小三太を斬り捨てます。
次に又重へと目を向けると、そこには又重はおらず、山の中へ逃げてしまいまいました。
悪五郎は、瀕死の小三太の首を切り落とし、又重を追いかけます。
追いつかれた又重は、悪五郎と斬り合いになりますが、悪五郎がつまずいて転んでしまって… 。
その隙に又重は、悪五郎に斬りかかるが、体力のある悪五郎は起き上がり斬り合いが又始まります。
その時二人は、足場を踏み外してしまい、海の中へ転んでしまいます。
海の中でもなお、終わらない決死の戦い。
お互いの刀がそれぞれの首を捉えて切り落としました。
二人は首だけになっても争い続け、そこに悪五郎によって斬られた小三太の首も加わります。
3人の首は、終わることなく争い続けていました。”
この3人の武士の争いが怨念になったとのこと
言われてみれば、かしらの顔は昔の侍のように見えますし、頭だけしかない不思議な出立ちも納得出来ます。
またかしらは、「おい、おい」と威嚇するような声だけしか発していません。
これは、武士たちの戦いで発せられた言葉でもありそうですね。
また「千と千尋の神隠し」は、神さまたちの世界です。
神さまに限らず、亡くなってしまった人たちも描かれていたりと死後の世界でもあります。
このような世界観に、上記の舞首のストーリーはマッチしやすいです。
とても信憑性がある情報だと思います。
もののけ姫のゴンザがモデル?
他にも、もののけ姫に登場するゴンザがモデルじゃないかという話も出ています。
確かに言われてみれば似ているんですよね。
ジブリの作品は、似たような雰囲気のキャラクターが良く登場していますよね。
このキャラクターどこかで観たことあるなぁと感じる人も多いのではないでしょうか。
それは、どのジブリ映画も1度だけでなく何度も繰り返し観ることが多く、覚えやすいのだと思います。
いつ観ても新しい発見があり、観飽きることがないのはジブリ作品の大きな魅力の一つです。
また、かしらに関しては実在する人物にも似てる人いますよね、きっと。
ちょっとした脇役キャラクターでも話題にできるのは、ジブリならではでないでしょうか。
このかしらの「おい、おい」の声は誰?
調べてみましたが、公式に情報は載っておらず、ネット上にも何の情報もありませんでした。
武士らしい男性の顔にピッタリ合う渋くていい声です。
情報がないとすると、ジブリの制作側の誰かが担当しているのでしょうかね。
まとめ
超脇役キャラクターのかしらでさえ、3体ともちょっとずつ変化をつけて描かれています。
また、探せばキャラクターのモデルやイメージが出てきて、「なるほど!」と思うことが多く面白いですよね。
湯婆婆の部屋で彼らを見つけた時に、きっとまた低賃金又は賃金なしで働かせているのではないかと思うと、少し切なくもなります。
坊や湯バードのように千尋と外の世界に旅に出れたらよかったのにね、と思ってしまいました。
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