今回特集されたのは、『スズキヤ』という神奈川県の湘南を中心に8店舗を展開しているローカルスーパーです。
普段わたしが使用するスーパーは主に3つあります。
- 駅直結で便利なイオン
- 今、人気爆発中のコストコ
- ショッピングモールの中にあるため、ついでに寄れるヤオコー
特に強いこだわりはなく、その時1番近い所にあるスーパーへ行きます。
使用頻度は高くても、「ここじゃないと!」という事ではありません。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]しかし、今回紹介されるスーパー[move]『スズキヤ』では、お客さん全員がここでないとダメなんだ、と厚い信頼と強い愛着を持って通い続けている[/move]のです。[/moveline]
なんだか羨ましい…。
なぜ、そこまで愛されるのか、どんな方が経営されているのか、その秘密が明らかに!
スズキヤが地域に愛される秘密
その1:絶賛の品質と品揃え
相模湾の近くという立地を生かして、バイヤーが朝上がったばかりの魚を買い付けます。
前の日に上がった魚は絶対に買わないそうです。
なぜなら、安いものには品質低下など何かしらワケがあり、それはお客様の信頼を失うことにつながるとからだといいます。
漁師にとっても、「相場だから」と、見合わない値段をつけられることなく、良いものはそれ相応の値段で対等にやり取りが出来るというメリットがあるのです。
さらに面倒なウロコ取りや三枚おろしなどの下処理は無料で行なってくれるサービスも。
新鮮で親切だからここで買いたくなる、というワケです。
ここなら美味しいという信頼は確かに大きいなと思います。
金目鯛やマコガレイなど中々見ることのない魚が並んでいて見ているだけで楽しい空間でした。
その2:地元とタックを組む
- 地元で人気のレストランが作る絶品モッツァレラチーズ
- 地元メーカーと共同開発した納豆
- 相模ハムと共同開発したポークソーセージスライス
- 地元の居酒屋で隠れ人気メニューだった春巻きを商品化
こうした店や企業とコラボした商品が全体の1割を占めているそうです。
社長自らがバイヤーとなり、美味しい、楽しいと思った商品をスズキヤで扱えるようにお願いするそうです。
全国チェーンのように、いつでもどこでも同じものが買えるという安心感もありがたいサービスですが、地域密着型のようにその場所特有の味を持つローカルスーパーもまた魅力的です。
心が和む、ふるさとの味はやはり格別ですから。
その3:生活を知りつくすパートさん考案のお弁当
- 鮭と彩り野菜の海苔弁
- 煮豚カツ丼
生活を知り尽くした、勤務年数の長いパートさんが様々なお弁当を考案しています。
スズキヤに並ぶ商品で美味しいと思ったものを詰め込んだのり弁や、煮豚をカツにすることでお年寄りにも優しいあっさり食べやすいカツ丼など。
全国スーパーマートお弁当お惣菜の大会で9年連続賞をとっているそうです。
74歳パート歴30年の大ベテランである長谷川さんは、「あれをこうしよう、こんなアイデアはどうだろう」と考える時間が本当に楽しいと話します。
主婦として生活で大切なことを誰よりも知っているパートの意見やアイデアを尊重しており、素敵な会社だなと思いました。
確かに、人それぞれ得意な分野がありますよね。
各々の立場で同じ目的に向かって仕事をすれば、向かうとこ敵なしだなと感じました。
その4:ワンランク上の宅配サービス
店舗周辺の住民のために宅配サービスを行っています。
利用客には予め商品カタログを配布しており、 お店にあるものは何でも配達するそう!
これは比較的どこでも行っているサービスかと思われます。
スズキヤのすごいところは、安否確認などのコミュニケーションを惜しまず行うという点
カタログに無いその日のお買い得商品をご提案したり、電話口の声から体調を気遣ったり…。
また毎日電話がくるお客さまから3日以上連絡がない場合はこちらから連絡をしてみるそうです。
実際、大雪で家から出られなくなっていた老夫婦を救助したこともあるのだとか。
スズキヤのある逗子市は、人口の3割が65歳以上と高齢化が進んでいる
出かけることが困難な方にとってみれば、なくてはならない生活の一部になっているのでしょう。
また世間話をしたいお年寄りにとってみれば、商品購入以上の価値を提供しているのです。
放送を見て、心が温かくなりました。
スズキヤ 中村洋子社長とは
この方、なんともすごい家系であり、型破りな濃い人生を歩まれていたのです。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]まずびっくりなのが、[move]兄たちがスターバックスコーヒージャパンとサザビーリーグの創業者[/move]なのです。[/moveline]
鈴木家の始まりは1902年
萬屋としてスタートしました。
その店を現在のスーパーの形に変えたのは中村洋子社長の父。
昭和30年代、まだ珍しかったセルフサービスの買い物スタイルが世にうけ大ヒット!
中村はそんな裕福な家庭の末っ子として誕生しました。
たくましく育った幼少期
お嬢様と甘やかされたのかと思いきや、何でも手伝わされたそうです。
例えば、鳥の毛を全部剥いで、頭をとる下処理など…たくましいです。
キディランド やサザビーで働き、27歳で独立
親の反対を押し切り、六本木でスナックを始め繁盛させたかと思いきや、東京西麻布にうなぎの専門店を開業しました。
その店にアルバイトで入ってきた男性と結婚。
その後、うなぎ屋を料理長に任せ、ご主人と世界放浪の旅へ出発する のです。
世界放浪から帰国後、兄が経営していたスズキヤに38歳入社
3年後には会社を任され、社長に就任。
当時スズキヤは大手チェーンと同じように、拡大路線へ向かっていたが、中村社長は方向転換を図ります。
それは、地域密着スーパーとして生まれ変わるというもの。
一軒一軒をいい店にしないと生き残れないと感じ、商品にこだわりを持ち、従業員を教育することに重きを置きました。
そして見事に高くても売れる地元客が殺到するスーパーへと生まれ変わりました。
さいごに
誰もやっていないこと、誰もが行っている当たり前、何を基準に経営を図ればヒットするのか…商売というものは本当に難しいものだと思います。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]ただこのスズキヤさんで言えば[move]『客が求めているものを提供し、その過程を自分自身が楽しめるか』[/move]ということだと思います。[/moveline]
無敵の笑顔と熱意で、愛されるスズキヤを保ち続ける中村さん。
楽しくてしょうがない、と話す生き生きとした表情が印象的でした。
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