1962年に公開されたこの映画、わたしは十年ほど前にDVDを借りて鑑賞しました。
なぜ手に取ったのか。やはりそれはDVDジャケットに惹かれたからです。
白黒映画だからこそのホラーがジャケットから伝わってきました。
ホラー好きとしては観ないといけない作品だと直感しました。
狂気を漂わせる怪演と言えば、『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンがパッと思い浮かぶけれど、『何がジェーンに起ったか』のベティ・デイビスももの凄いです!
『何がジェーンに起ったか』主演はベティ・デイヴィス
ベティ・デイビスは、当時54歳の大ベテラン女優です。
そのベテラン女優のベティがなぜこの映画の出演を決めたのか…。
彼女の表情、培われた演技はこの映画の中で狂気を放っています。
『何がジェーンに起ったか』あらすじ
かつて父親の元で子役として一世を風靡したジェーンとブランチ姉妹。
しかし時と共にジェーンは酒に溺れ、一方ブランチはその美しさから女優として成功します。
ブランチの身に起こった交通事故
この事故によってブランチは下半身不随となり車椅子の生活になり女優生命も絶たれます。
ブランチに冷たく当たるジェーン
ここからが怖いこの映画。
一つ屋根の下姉妹で暮らすのですがジェーンのブランチへの嫉妬は非常に強く、憎しみを込めた扱いをブランチに行います。
わたしが1番怖かったシーンは、昼食に出されたお皿にブランチが大切にしていた小鳥が死骸となって出したところ。
完全にジェーンは狂っているとしか思えません。
ブランチの看病でジェーンの精神はますます不安定になっていった
ジェーンの行動は姉への嫉妬、そして憎しみでもあるけれど、それ以上に憧れが強かったのだと思いました。
強い憧れを抱いていた姉を看病することになり、余計にジェーンの中の精神が不安定となっていったのではないかと思いました。
またこの不安定さと同時に、女優として成功できず芸能界から消えた存在となったときに、ジェーンの心の成長は止まってしまったのです。
そのためジェーンは常に子役が着るようなヒラヒラのついたドレスを50歳を過ぎた大人になっても着つづけていたのです。
お客が来れば彼女はヒラヒラのドレスを纏いながら音楽を歌いまるで子役のように踊り、完全に精神が子供時代で止まっていました。
映画タイトル『何がジェーンに起ったか』の意味は?
タイトルはジェーンの精神状態も表していますが、もう一つ謎を問いかけています。
それは映画冒頭シーンです。
冒頭シーンでは車が急に動き出し事故を起こします。
これが謎のシーンです。
その後姉妹のやり取りを観ていると、あたかもジェーンがブランチをひき殺そうとしたように思えます。
ですが事実は異なります。
これはぜひ実際に鑑賞して知っていただきたい事実です。
この事実のせいで、ジェーンの精神はよりおかしくなっていきます。
本当に怖いのは誰なのか。何がジェーンに起こったのか?
これらは最後まで観ることで明らかになります。
この映画をオススメするのは少し変わっているかもしれません。
おそらくホラー好き、サスペンス好きまたは昔の俳優が好きなどの理由がないとなかなか辿り着かないかと思います。
わたしはベティ・デイヴィスが大好きなので、この映画に辿り着きました。
ベティ・デイヴィスの狂気を演じるメイクや演技には圧倒される!
やはり素晴らしい女優さんです。
この映画でベティはアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。
やはり一度見たら忘れることができない演技です。
わたしがベティ・デイヴィスを好きになったきっかけ
それは、彼女がもう少し若かったときに主演した『イヴの総て』です。
ベティは『イヴの総て』でも女優を演じています。
そしてこの映画でもベティは若手女優に嫉妬をする役を演じています。
ただアン・バクスター演じる若手女優には裏の顔があり、ベティをどんどんみじめに陥れていく内容です。
ストーリーはとても明るいとは言えないものだけれど、ベティの美しさは際立っています。
共演のアン・バクスターはベティより年下の若い女優ですが彼女以上の輝き、そして存在感があります。
『イヴの総て』と同時に『何がジェーンに起こったか』を鑑賞するとベティの演技の素晴らしさを理解できると思います。
これほどまでに演じ分けることができるのは大女優だからこそだと思います。
まとめ
白黒映画は若い方には馴染がないためなかなか観ようと思わないかもしれません。
でも現代では見つけることのできないほど素晴らしい怪演ができるベティ・デイヴィスという女優をぜひ1度見てほしいですねー!
そしてベティの代表作ともなる『何がジェーンに起こったか』は必ず観るべき映画だと断言できます。
これに恐怖を抱かない人はきっといないでしょう。
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本ページの情報は2022年11月時点のものです。
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