今回は、批判の多い千尋のお母さんについて考察してします。
この作品を観たことある人みんなが口を揃えて言うお母さんの千尋に対する冷たさについてです。
何故こんなあっさり、さっぱり、冷え冷えした態度や発言をするのでしょうか。
その理由を探ってみました。
冷たい態度をとる千尋の母と、息子の坊を過剰なまでに溺愛する湯婆婆の姿は対照的
我が子を溺愛するあまり部屋に閉じ込めた湯婆婆
湯婆婆は、外はバイ菌がいっぱいで危ないから外には出てはいけないと、坊を部屋に閉じ込めてましたね。
そのせいでいつまで経っても見た目は赤ちゃんのまま。
坊は、精神年齢は赤ちゃんでないとしても自分中心の考え方を持っています。
湯婆婆の行き過ぎた愛情が裏目に出ていることは確か。
湯婆婆と比較すると、千尋のお母さんは真逆の態度
また年齢的にも湯婆婆はとても高齢のように見えて、逆に千尋のお母さんはまだ若い。
このような極端なキャラクターの存在は、非常に印象に残りやすいです。
そして、どちらの子供への接し方も、常識的にみると正しいと思えないのです。
千尋に兄がいて、川で溺れた千尋を救うために兄が犠牲になったという噂の真相は?
そのせいで、お母さんが千尋に冷たく接しているではという考えです。
これは、ハクについて詳しく説明したときの考察にもあるのです。
ハクが実は、千尋の兄であったのでは?、という考察。
お母さんは、千尋によって犠牲になった兄のことを大切に思い続けています。
そして、無意識に千尋に冷たくしてしまっているのではないかという可能性もあります。
元々本当のお母さんではなく、お父さんの再婚相手?
お父さんにはいつもくっついていて、千尋を含めた家族というよりはお父さんと恋人同士のように見えます。
千尋には全く目を合わせず、冷たい表情のお母さんですが、お父さんには目を合わせて話し笑顔が見られますね。
千尋のお母さんは、まだ母親としての自覚がない可能性も
格好を見ていると綺麗なアクセサリーにバッチリメイクで、お母さんというより女性らしさを感じました。
お父さんとの関係を見ているとやはり女性というイメージを一面に出しています。
お父さんも含めてこの夫婦は、お金遣いが荒い感じ
お父さんは高級車を乗り、お母さんはアクセサリーなど自分を良く見せるものにお金を費やしています。
屋台では、後でお金を払えばいいと言って勝手に置いてある料理を食べていました。
バブル時代に、お金で何でもうまくやってきた貪欲さや自己中心的な考えの名残があるのではないのでしょうか。
お母さん自体が、元々こういう人なのかも
それは、昔と現代のお母さんと子どもとしてのあり方の変化を表しているかもしれません。
お母さんのセリフからも分かることがあります。
小川を渡るとき、足場を気にしながらゆっくり進む千尋に「千尋早くしなさい」と言います。
しかし、様子を見たりは全くしません。
さっさと先に行ってしまいます。
暗いトンネルを進むとき、千尋のお母さんのセリフに「千尋、あまり引っ付かないで、歩きにくいわ」とあります。
どのセリフも冷たさでいっぱいです。
しかし、千尋は甘えん坊でいつも両親にくっついていたんではないでしょうか。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″][move]お母さんは千尋を“子供”として見るのではなく“1人の人”として見ている[/move]ようにも感じます。[/moveline]
『千と千尋の神隠し』の大きなテーマに、なんの能力もない普通の子供が色んな困難を克服し、自立することが挙げられます。
千尋の成長をはっきりとみせるため、お母さんの冷たいイメージが強調されたのかも。
甘ったれの千尋の成長と自立
こんな両親に育てられた千尋ですが、あちらの世界での経験を通して成長したのだということを分かりやすくしたのでしょうね。
お母さんのセリフと表情や態度は、優しさや暖かさを感じませんが、わたしの子供のころを思い出すと似たようなことがありました。
「くっついてたら歩きにくいから自分でしっかり歩きなさい」と言われたことあるんです。
だからといって冷たいわけではないです。
千尋のお母さんも、引っ付かないでと言いますが、突き放したりはしません。
子どもの自立を助けるのに必要な行動の1つなのかも。
母親は、優しさだけでなく時には子どもにきついと思うようなことも言います。
千尋のお母さんが冷たいことに対するTwitterの反応
千尋のお父さん【大丈夫、この車は四駆だぞぉ】とか誇る部分イカれてるし私有地入るし千尋のお母さんは【千尋、そんなにくっつかないで。歩きにくいわ。】とか冷たいしあんなバカ親に子供預けられるかって話よ
— わかめ団スペイサリー (@Ynsf6vntxMOmraQ) March 9, 2021
「千尋のお母さんが娘に興味を示さない冷たい性格なのは、子供(坊)を溺愛している湯婆婆の過干渉的な母親像を引き立てたかったから」という説があるらしい
— 新人類創造計画 (@MZT0211) January 28, 2021
千と千尋に出てくる、千尋のお母さんは千尋に対して冷たい印象を受けるが、実際あれは監督が抱く最近の母親像についてのイメージで描かれている。
母親の方が子と接する機会が多いので気付きにくいが、父親もまた親として無力な家庭が多い。— ひで (@UtpYrpheEJoYxOq) January 18, 2021
何度見ても、千と千尋のお母さん、なんだか千尋に冷たくない?って思ってしまう笑
冷たいというかアッサリというか…笑— きんちゃん (@kyo_felice) December 29, 2020
今日ふと思い立って千と千尋の神隠しを観たの。
初めてこの映画観た時から千尋のお母さん冷たいなってずっと思ってたんだけど、これは今の私だ…と客観視できた。
客観的に見たら私は娘に対してこんなお母さん。嫌だと思ってたものが投影された。
一つの気付きでした。— ゆうちゃん🐰 (@usa_okame) October 11, 2020
まとめ
母親のこのような行動は、序盤の甘ったれな千尋の存在を目立たせるために必要なものでした。
でも視聴者にとっては、不快に感じてしまってもしょうがないですよね。
人気になり私たちのお手本になるキャラクターもいれば、千尋の両親のように悪い部分を目立たせるキャラクターも必要です。
私たちの過去の行いについて考えさせられることにも繋がるからだと思います。
comment