ストーリー序盤、千尋と両親はあちらの世界に迷い込んでしまい、両親は神さまたちの食べ物を一心不乱に食べていました。
千尋は両親に食べるよう促されますが断り、町の中を散策します。
ちょうど油屋の前にかかる橋を渡っている千尋にハクが現れ、元来た場所へ戻るように言われます。
この魔法は一体なんだったのでしょう??
まず、ハクが吹いていた花びらのようなものは鱗だということが絵コンテから分かります。
子どもの頃は、綺麗なピンク色に見えたので花びらだと思っていました。
こんな序盤から、実はハクが龍だったということを匂わせていたのには驚きです。
そして、この魔法について幾つか考察ができます。
ハクが鱗を吹いた魔法にはどんな意味があったの?
1、魔法で千尋の匂いを消してしまった
油屋で働くようになるとカエルやナメクジなど他の従業員から「人間臭い」とよく言われてましたよね。
それほどあちらの世界では人間の匂いは強烈だということ。
橋を渡ってしまえば、目の前には油屋があります。
油屋の従業員たちに気づかれやすく、気づかれると大騒ぎになってしまいます。
そこで千尋の匂いを消して、大事にならないようにしたのではないでしょうか。
ハクは、千尋を何事も無かったように人間の世界に帰そうとしたのだと考えられます。
2、千尋の姿を見えなくした
実際、千尋は町をうろうろと探索していましたが、誰にも見つかりませんでしたね。
橋を歩いていたときにハクが千尋を見つけたのです。
そこでハクの魔法で、千尋の姿を消し去ったのでしょう。
しかし、ハクは千尋に向かって鱗を吹いていないんですよね。
千尋に戻るように促して、湯屋側に向かって鱗を吹いていたので、そこに存在していた何かを消したように感じました。
そこに存在していた過去の姿や残り香のようなものを消し去ったイメージがします。
または、湯婆婆の結界のような魔法が、湯屋の側にある橋の方まで来るのを一時的に防いだとも考えられます。
3、時間自体を遅らせた
夜になると湯屋は営業を開始して、多くの神さまたちがやってきます。
千尋が橋のところにいたときは、提灯に火が灯り、まさに営業が始まろうとする瞬間。
その時間を少しでも遅らせようとしたという考えです。
このときの挿入歌は、「夜来る」というタイトルの曲。
今にも夜になり、あちらの世界が賑わいだそうとしているのが伝わります。
鱗自体が時間の概念を持っている?
それは終盤、千尋がハクの背中に乗っているとき、ハクの正体を伝えます。
すると、鱗が一瞬で剥がれ落ちていく描写がありました。
これは、今まで時間に縛られて記憶を失っていた状態から解き放たれたように感じます。
映画を観た当時、ハクのこの魔法がちゃんと効果あったのかなぁと思った
何故なら、鱗を吹いた後、周りに変化が無かったから
時間を遅らせようとしたことに関しては、魔法の効果はあまり無かったでしょう。
これは、湯婆婆の経営する油屋の周りでは、特に湯婆婆の影響が強いからです。
結局夜になってしまい、町の屋台には黒い影がうろつきだします。
両親が豚になった状況を見た千尋は急いで川へ向かいました。
しかし、すでに川はなくなっており、沢山の神さまを連れた船が到着していました。
ただ、全く魔法が効いてないとは言えない
神さまたちが陸に上がって来るとき、千尋が怯えて姿が消えかかっていました。
ちょうどそのときハクが来てくれました。
ハクは、千尋を湯屋へ連れていくことにします。
橋を渡るとき、ハクはこんなことを言っています。
「橋を渡る間、息をしてはいけないよ。ちょっとでも吸ったり吐いたりすると、術が解けて店のものに気づかれてしまう」
つまり、ちゃんとハクの魔法はかかっていることが分かります。
橋には湯婆婆の特別な魔法がかかっていて、神さまだけを認識して通す結界のようなものが存在していたと思われます。
湯屋は神さまだけの場所であり、神さま以外は入ることが許されていません。
序盤、カオナシが橋の上から湯屋に入ることが出来なかったこともこの理由が挙げられます。
千尋は息を止めることで、人間だとがバレず、無事橋を渡りきり油屋に入り込めました。
まとめ
しかし、千尋を油屋で働かせることを決めたハクの決断力により、千尋の成長へのストーリーは大きく進んでいきます。
序盤、両親を豚にされて川に行けば渡ることができず、頭を抱えてうずくまる千尋を救ったハク。
終盤は、追い込まれてボロボロになったハクを助ける千尋が、非常に頼もしくなっていることに感動しますね!
\ジブリ最大のヒット作!/
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