『霧のむこうのふしぎな町』は『千と千尋の神隠し』の原作なの?

霧のむこうのふしぎな町は、1980年講談社より出版された柏葉幸子作の児童書。

2001年に公開されたスタジオジブリのアニメーション映画『千と千尋の神隠し』に影響を与えた作品として有名です。

『霧のむこうのふしぎな町』あらすじ

小学6年生のリナは夏休み中、父の知り合いがいるという霧の谷へ行きますが山道で迷ってしまいます。

父の知り合いからもらった、道案内のピエロの傘に導かれてリナがたどり着いたのは『めちゃくちゃ通り』というところでした。

リナは下宿屋を訪ねて、一晩泊めてもらおうとします。

しかし、主人のピコットばあさんはお小遣いから宿泊費を出そうとしたリナに「自分で働いて稼いだ金じゃないとダメだ」と言い放つのです。

こうしてリナは、宿泊費を稼ぐべくきちがい通りのお店で働くことになります。

『千と千尋の神隠し』との共通点

1,少女が異世界に迷い込む物語であること

千尋もリナも異世界で過ごし成長していくというのが双方の物語の柱になっています。

2人とも突然異世界にやってきて働くことになりますが、普通の小学生が知らない土地で労働を強いられれば恐怖を感じるし不安にもなるでしょう。

千尋はハクにおにぎりを渡され堰を切ったように泣き崩れましたが、リナは違いました。

めちゃくちゃ通りの人々は、その名の通りめちゃくちゃで突拍子もないことをする人ばかりなのです。

しかし、リナは驚きつつもしっかり彼らのテンションに順応していきます。
案外肝が据わっているようです。

最初はごく普通の少女として描かれていたリナでしたが、少しずつ自分の意思を持つようになり自分で考えて行動し人々に意見をするようにまでなります。

それは彼女自身が回りの言葉を受け入れる力をもっているからです。
だから皆も彼女の心を開く。

そんな心の交流がとても温かく、異世界ファンタジーものながらもどこか懐かしいほっこりとした気持ちになります。

2,老婆がキーパーソンであること

千と千尋の神隠しでは湯婆婆が千尋の敵のような立ち位置でした。
霧のむこうのふしぎな町では、ピコットばあさんがそのポジション。

2人に共通するのは完璧な悪役ではないという点でしょう。

湯婆婆は基本的には厳しいのですが、ときには千尋の働きぶりを褒めてくれる人情深い人物です。

ピコットばあさんも一見無愛想で口が悪くいじわるに描かれているのですが、どんどん優しい部分が見えてきます。
リナのお土産袋の奥に最高のお土産を潜ませるのもピコットばあさんです。

そして2人とも、決して間違ったことはいっていないのが憎めないところなんですよね。

湯婆場は千尋の両親を豚にした際「お客様の食べ物を豚のように食い荒らして!」と怒鳴っていますが、店のものを無断で食べる千尋の両親は確かに非常識。

一方でピコットばあさんは「働かざるもの食うべからず」という精神の持ち主です。
小学生相手に少々厳しいのでは?、と思いますが、世の中に出てしまえばそれは当然のことなんですよね。

千尋もリナも、厳しい老婆の叱咤があったからこそ成長できたのではないでしょうか?

千と千尋の神隠しとの相違点

1, 世界観の違い

千と千尋の神隠しで千尋が迷い込んだのは湯屋のある和風の世界です。
日本独自の文化である八百万の神々が登場し、建物も食べ物も日本的です。

リナが訪れためちゃくちゃ通りは洋風の世界であり、まるで北欧の雰囲気。
メルヘンの国そのものという感じです。

また、霧のむこうのふしぎな町は油屋の世界とは違い、契約や呪いなどのシビアな要素はなくむしろ子どもが思い描くような「夢の国」に近いように思います。

たとえば食べても太らないお菓子。
色とりどりの花を咲かせられる発明家や、珍しい本ばかり置いている本屋。

さらに住人もめちゃくちゃでユーモア溢れる不思議な町。
子どもが好きにならないわけないですね。

大人でもあこがれるまさにユートピアです。

『千と千尋の神隠し』は物語としてはかなり作りこまれていて少し難しい設定もありますが、本作はおとぎ話のようなわくわく感がありますね。

2, 異世界への入り口と迷い込む条件

めちゃくちゃ通りへの入り口は世界のあらゆるところにあると作中で言及されています。

一方で湯屋への入り口については特に語られてはいませんが、トリガーはおそらく神域へ入ってしまったことでしょう。

また、名を縛るという強力な契約を加味すると、簡単に出入りできないと考えられます。

めちゃくちゃ通りへの入り口は、必要とした人のところに現れます。
つまり、リナがめちゃくちゃ通りの人々を必要とすれば、また道は開かれるのです。

しかし油屋はどうでしょう?
千尋がまたあの世界へ迷い込む日は果たしてくるのでしょうか。

視聴者の多くは、ハクとの再会をどこかで望んでいることと思いますが、それはきっと湯屋の世界ではないはずです。

むしろ千尋が望んだときにまた湯屋に行けるとしたら、『千と千尋の神隠し』の世界観やノスタルジーな雰囲気が損なわれてしまうように思います。

『霧のむこうのふしぎな町』はおとぎ話のような世界観だからこそ「また行けたらいいな」という余韻が残りますが、油屋はそうではありませんよね。

物語全体を通して「異世界」の描き方もだいぶ違いを感じます。

まとめ

千と千尋の神隠しの原作という声も上がっている『霧のむこうのふしぎな町』。
原作というには違う部分も多く、「設定が少し似ているかな?」というくらいです。

しかしごく普通の少女の成長というテーマや個性豊かなキャラクターを描いた本作から、宮崎監督は少なからずインスピレーションを受けたのでしょう。

少女の成長というテーマにおいて、二作品とも日本が誇るファンタジーの名作と言えます。

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