終盤において、千尋がハクとのことを思い出すシーンはとても感動的でした。
そして、千尋はハク、坊ネズミ、ハエドリと共に湯屋へ戻ります。
油屋の前では、湯婆婆だけでなく従業員たちが帰りを待っていました。
きっと心配していたであろうリンが「帰ってきた!」と叫んでましたよね。
油屋での最後となる場面
最後の試練が準備されている緊張感のあるシーンのように見受けられます。
その一方で、なんだかアットホームな雰囲気も感じられるシーンでもあります。
湯婆婆は坊の帰りを待ち侘びて、坊を見て喜んでいましたし、1人で立てることに驚いてもいました。
ハクが、坊を無事に連れ戻す約束を果たしたので、千尋と両親を解放するよう言います。
意地悪な湯婆婆は、ハクとの約束も有耶無耶にしようとしてた
物語を通して湯婆婆の性格なんかは全く変わりませんね(>_<)
しかし、外の世界を見てきた坊は、湯婆婆に「ばぁばのケチ、もうやめなよ。」と意見していました。
湯婆婆はびっくりして言葉を無くしていました。
さらに追い討ちが、千尋が言った「おばあちゃん」
湯婆婆は、予想していなかったセリフに「お、おばあちゃん?」と戸惑っていました。
ちなみに、観ていたわたしも「おばあちゃん!?」と驚きました。
作品の始終、千尋が湯婆婆に向かって呼ぶシーンはなかったです。
誰かと湯婆婆について話すときは「湯婆婆」と呼んでいましたが、それ自体も結構稀でした。
そんな中、突然の「おばあちゃん」発言にはびっくりしましたよね。
なぜ千尋は、最後に湯婆婆を「おばあちゃん」と呼んだのか?
その理由はいくつか考えられます。
1、坊が湯婆婆を呼ぶときに「ばぁば」と何度も言っていたことで、それが千尋にも移った
銭婆の家に向かうときから旅を共にしており、仲間意識が生まれたのでしょう。
またこの旅を通して坊はとても楽しんでいましたし、千尋と同様に大きくなりました。
その成長っぷりは湯婆婆もびっくりしていましたよね。
2、銭婆に会い一緒に過ごしたことで、同じ見た目の湯婆婆にも親近感が湧いた
銭婆は湯婆婆と見た目は同じですが、性格は全く異なり常識的でとても穏やかな魔女。
千尋たちにお茶を出して話をしたり、編み物をしたり、さらには行き場所のないカオナシに居場所を与えています。
本当に心優しいおばあちゃんという感じがヒシヒシと伝わります。
千尋も銭婆のことを躊躇いもなく「おばあちゃん」と呼んでいました。
銭婆との出会いで、双子の湯婆婆にも何かしら親しみを感じたのかでしょう。
3、千尋の成長により、湯婆婆のことが恐くなくなった
初めて湯屋に来たときは、湯婆婆に意地悪なことを言われ、従業員には人間臭いと言われて肩身の狭い思いをしてきました。
また、最初は千尋自身とても甘えん坊な子供で頼りない存在。
そんな千尋が、オクサレサマを受け入れ、一生懸命綺麗にしたお陰で川の神さまだということが分かりました。
また、カオナシが湯屋で暴走したときは、その暴走を止めることに成功しました。
さらに、今まで自分を救ってくれたハクのため、銭婆の元へと向かいました。
これらは、子供の千尋には沢山の試練であり、それらを解決していくたびに成長していったようですね。
作品を通して成長していく千尋には余裕が感じられます。
湯婆婆に対して意味もなく怖がる必要がないことを感じているのではないでしょうか。
4、千尋は油屋を辞める
実際、お父さん、お母さんを救い、一緒に元の世界に帰ることになります。
湯婆婆と千尋に存在する油屋の経営者とその従業員という上下関係はもうありません。
従業員が自分の雇い主に対して「おばあちゃん」って呼ばないですよね。
湯婆婆に対してあえて「おばあちゃん」と呼ぶことで、自分はもう油屋の従業員ではないと強調しているのかもしれません。
まとめ
なぜ終盤、千尋が突然湯婆婆を「おばあちゃん」と呼んだかは公式では何も述べられていません。
考えようによっては、湯婆婆が老女の見た目なので「おばあちゃん」と呼んでもおかしくはありません。
千尋は子供ですし、労働での上下関係なんか知らないですから。
しかし、あちらの世界に迷い込んでしまった千尋は、仕事をしなくてはいけない状況でした。
油屋での経験を通して、子どもではなく一人の自立した人間に好転しました。
目の前で起きていることを理解して行動し、恐くても立ち向かっていく姿は立派( *´艸`)
\ジブリ最大のヒット作!/
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