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なぜ海原電鉄には帰りの電車がないの?【千と千尋の神隠し】

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千尋がハクを助けるため、釜爺にもらった海原電鉄の切符を使い銭婆の元へ向かいます。

千尋だけではなく、銭場に魔法で変えられた坊ネズミハエドリそして、行き場を失ったカオナシも同行していました。

駅まで千尋を送るリン

出発するときは日中でリンにも見送られており、そんな寂しい雰囲気を感じないんです。

しかし、電車に乗り段々日が暮れていくと本当に孤独を感じるんです。
湯屋でお客さまの接客やカオナシの暴走で勢いや華やかさなんかがありました。

目次

あっという間の日々と対照的な電車のシーン

1日だけなのにすごく時間の流れがゆっくりに感じます。

海原電鉄電車のシーンは静けさや懐かしさと寂しさを強く感じるシーンです。
懐かしいと思う人もいるようですが、私は寂しいなぁという気持ちでした。

この電車のシーン、疑問に思うことが何点かあるので、見ていきましょう。

なぜ海原電鉄には帰りの電車がないの?

切符を渡す釜爺が「昔は戻りの電車があったが、近頃は行きっぱなしだ」と言っています。
なぜ帰りの電車がなくなってしまったのでしょうか?

この電車の行き先は「あの世」

あの世

昔は戻りの電車があったということは、あの世から戻ってくる魂がいたということ。
魂はあの世⇔この世を行き来しており、その移動手段がこの電車だったのでしょう。

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魂がこの世に戻ってくる時期といえば、主にお盆

お墓

私たちがお墓参りしたときに、亡くなった人がお墓の周りにいてもおかしくありません。

昔はお盆のときは、特に頻繁にお墓の掃除やお墓参りしたりと、ご先祖さまを近くに感じていました。
ご先祖さまの魂も、迎え入れてくれる場所や人がいれば喜んで戻ってきます。

わたしの祖母は、お盆にはご先祖さまのためにご馳走を用意していました。
また、私たち家族は祖父母の家に行き、お墓参りやお仏壇に手を合わせていました。

お仏壇に手を合わせる

しかし、今ではその風習も世代の移り変わりによって、昔ほど重要ではなくなってきているように感じます。
日々の忙しさで、日本人として大切なものをあまり気にしないように…。

ご先祖さまも迎え入れてくれることがないのならば、帰ろうとは思いません。

人と人の繋がりが強かった昔

現代は昔に比べて、とても便利で豊かになりました。
欲しいものが欲しいときに手に入りますし、好きな時に好きなところへも行けます。

そして、その自由な状況が当然であると感じるようになりました。
昔は不便なことが多く、困ったときには助け合うことが多かったのです。

人と人の繋がりが強かったんです。
また、ご先祖さまのが守ってくれるという感覚も強くありました。

この何に対しても“感謝する気持ち”が、今失われつつあるのでないでしょうか。

日本の昔から伝わる習わしや文化の多くが、慌ただしくすぎていく今、忘れ去られようとしていると感じます。

宮崎駿監督は、このような現状を私たちに知らせて考える機会を与えているのでしょう。

乗客は、みんな影のように薄い

これは何を意味しているのでしょうか?
実は、この黒い影のような人たちは、序盤でも油屋に通じる商店街に出没していました。

商店街の薄い影
日が暮れると同時に、提灯に灯がついていくと黒い影がたくさん現れ千尋はびっくりしていました。
しかし、その影は形がはっきりしておらず、ぼやけていました。

千尋と影それに比べて、電車の中にいた人たちは、服を着て帽子を被ったり、カバンを持っていたりとリアルです。
性別や年齢も大体分かりますよね。

電車にいる人たちは死んではおらず、病気や事故などの瀕死の状態で死の世界を彷徨っている人たちのようです。
または、私たちのご先祖さまとも考えられます。

千尋とカオナシが海原電鉄に乗っているところ

これは、影のように薄いですが、見た目がハッキリとしているからです。
見た目がハッキリしていることは、魂がしっかりと存在していることを意味しています。

逆に、千尋が迷い込んだ商店街で見た黒い影は、形がはっきりしていませんでした。

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カオナシも同じような存在に感じる

カオナシ

これら形を持たない黒い影たちは、魂の存在しない気持ちや念のようなものではないでしょうか。

例えば、「寂しい」や「悲しい」などの感情が作り上げている影なのかもしれません。

電車の中の人たちは、まだ死んでおらずただ死の世界を彷徨っているだけの存在。
商店街にいた影たちは死んでしまったとも考えられます。

電車の窓ガラスに映る千尋の表情に注目!

電車の中にいる千尋に注目すると気づくことがあります。
それは、窓ガラスに映る千尋の顔です。

そのシーンでは、千尋の横顔は、力強い顔で自分で何とかしなければいけない決意しているような表情です。

一方、窓ガラスに映る千尋は、少し不安そう
特に目のあたりが違いますね。

電車に乗り、銭場に会うことを決めたけれどこの先どうなるのか、またハクは大丈夫だろうか、両親を残してきたけれど食べられたりしないか、不安でいっぱいだと思います。

外見だけでは読み取れない千尋の気持ちが、窓のガラスを通して現れているのです。

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