物語中盤、ハクは龍の姿となり湯屋の上空で、銭婆からの式神に攻撃され苦しんでいました。
湯婆婆の部屋に雪崩れ込んで来たとき、千尋が苦団子をハクの口の中に押し込むと、ハンコと黒い芋虫を吐き出しました。
黒い芋虫は、湯婆婆がハクを自由に操ろうと仕込んだもの。
そしてハンコは、湯婆婆の命令で銭婆から盗んだものです。
このハンコは、「魔女の契約印」と呼ばれています。
魔女の契約印を盗まれるのを阻むため魔法がかけられていたので、ハクがとても苦しんでいたのです。
なぜ湯婆婆は契約印をハクに盗ませた?
ハクは契約により湯婆婆の手下なので、彼女の命令は絶対です。
湯婆婆は、契約印を盗むことへのリスクを知っていて、契約印に触りたくなく、ハクに取りに行かせたのでしょうね。
その理由を考えてみました。
契約印は油屋の労働に関する契約変更に必要なもの
湯婆婆は経営している湯屋の契約を変えたかったのです。
それは何故でしょうか。
1、湯婆婆自身が油屋の経営を辞めたかった
湯婆婆は、千尋が働かせて欲しいと何度も言っているときに、こんなことを言っています。
「まったく面倒な契約をしちまったものだよ。働きたいものには仕事をやらないといけないだなんて」
このセリフから、湯婆婆は働きたい意思があり、伝えてきたものには問答無用で仕事を与えなくてはいけないようです。
それと引き換えに、強い魔法を手に入れることが出来たのでしょうね。
契約印を盗み、契約を変更させることで油屋を経営し続けることを辞めたかったのかもしれません。
溺愛する坊と一緒にいる自由を手に入れたかったのではないではないかということです。
しかし、湯婆婆自身お金がとっても大好きですし、辞めたそうな素振りが見られませんでした。
2、油屋で働く従業員の自由を奪い、管理したかった
油屋で仕事をするとき、契約書に名前を書きます。
本名を書くと、名前は奪われてしまい自分は誰なのか、どこからやって来たのかを忘れてしまいます(>_<)
千尋は名前を誤って記入したため、自身の本当の名を忘れることはありません。
しかし、ハクは、自分の正体を覚えておらず、湯婆婆に支配されて自由を失っていました。
湯婆婆は「龍は優しくて愚か」と言っています。
このセリフからも分かるように、ハクは自分の本名を正しく書いてしまったんですよね。
実は、油屋の従業員たちは契約するとき、偽名を書いていることが絵コンテから分かります。
油屋ではみんな自ら働きたいという思いがあり、油屋にやってきて働いているようです。
リンが、夜お饅頭を食べながら、千尋に「こんなところ絶対に辞めてやる」と言っているように、辞めようと思えば辞めることもできる感じがします。
湯婆婆は契約のとき、たとえ偽名をを使ってたとしても従業員たちを思い通りに働かせたいという考えです。
そのために今までの契約を変更するために契約印が必要になるのです。
すごいブラック企業っぷりに背筋が凍ります。。。
絵コンテからの情報なのでこちらは信憑性がありますね。
銭婆の呪いについて
次に、ハクは魔法の契約印を盗み、銭婆の呪いで苦しめられましたが死ぬことはありませんでした。
この呪いはいつ無くなってしまったのでしょうか?
まず、ハクが苦団子によって吐き出したものは、銭婆の契約印と湯婆婆がハクを思い通りに操るために仕込んだ黒い芋虫だけでした。
もし目に見えるものだとしたら、一緒に吐き出した黒い液体がその呪いなのかも。
また呪いなので目に見えなくてもおかしくありませんね。
苦団子の効果は絶大ですので、銭婆の呪いも吐き出したことに間違いありません。
魔女の契約印は、千尋が銭婆の元へ出向き返すことに
それを持っていても、千尋には何の影響もありませんでした。
千尋から契約印を渡された銭婆は、「それを持っていて何ともなかったのかい?」「呪いが消えているね」と言っています。
やはり、手にしたものは誰でも呪いの効果があるようです。
千尋に効果がなかったのは、なぜ?
まず、ハクが吐き出してしまったため効果が無くなったと考えられますね。
また、千尋は銭婆に返そうとしていただけで、使おうとは考えていないため悪影響を受けなかったとも考えられます。
なぜ銭婆は、魔法の契約印を持っていたの?
銭婆が
「私たちは、二人で一人前なのに、気があわなくてねぇ」
と述べている通り、湯婆婆と銭婆の性格は真逆です。
湯婆婆は湯屋の経営でお金に目がなく欲深い性格に対して、銭婆は質素な生活を好む穏やかな性格です。
しかし、対照的な性格に対して容姿は同じです。
もしかすると、同一人物なのかもなぁとも思ったり…。
怒ると手がつけられない湯婆婆よりも冷静沈着な銭婆が、契約印を保管してた方がいいのは明らかです。
また、映画の中で湯婆婆に比べて銭婆の方が魔力が強いように見られました。
そのため、銭婆が所持していた可能性も高いように思われます。
\ジブリ最大のヒット作!/
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